健康連載ブログ

2007年07月20日

この病気にこの名医Part3

【第156回】1日2リットルの水分摂取などで予防

 尿路結石(4)

 尿路結石の治療は「薬物療法」と、最終段階としての「開放手術」との間に、「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」「経尿道的結石破石術(TUL)」「経皮的結石砕石術(PNL)」がある。しかし、実際に患者の多くが選択しているのはESWLとTULで、PNLはまれである。

 ただ、体により優しい治療ということで、どんなときでも、また、何回でもESWLで治療を行う施設も出てきている。「ESWLで患者さんの石が出ないときには、何度でも同じ治療をするのではなく、TULやPNLに変更する。ないしは、最初からTULやPNLで対応した方が良いケースもあります。その選択をきちっと行うことが必要なのです」と、国際医療福祉大学三田病院(東京都港区)尿路結石破砕治療センターの荒川孝センター長が指摘する。

 「何でもかんでもESWL」という風潮は日本に顕著。「尿管結石にESWLを1回、2回行ってダメなときは3回目も、というのは賢明ではありません。何度も行うと腎臓の周囲に出血したり、ごくまれに腸に傷を付けることがあります。ESWLで石が排出されないときは、早急に内視鏡を使ったTULにすべきなのです」。

 ところが、施設によってはESWLの治療しか行っていないところも多い。体外衝撃波結石破砕器はドイツで開発され、人口約8300万人のドイツにはその治療器が約300台。ところが、人口約1億2000万人の日本には約900台もある。高額な治療器なので、それを維持するために「適応の拡大をしている」施設もなきにしもあらず。

 薬物療法、そして3つのいずれかの方法で石が排出すると、それで治療終了というのではない。「尿路結石の患者さんは、結石成分にもよりますが、再発の可能性が高いのです。早い人では数年後にまた石ができて治療を受けた方もいます」。まさしく、生活習慣病の1つである。生涯罹患(りかん)率が10人に1人なので、特に石ができた経験のある人は、「1日2リットルの水分摂取」「1日30品目のバランス良い食事」「適度な運動」「適度なお酒」などを守ると予防になる。

 「2リットルの水分は、麦茶、ほうじ茶、ウーロン茶などで取るようにしてください」。もちろん、半年に1回は泌尿器科の主治医のチェックは受けるべきである。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆尿路結石の名医
 ▼松前病院(愛媛県松前町)泌尿器科・西尾俊治医師
 ▼原三信病院(福岡市博多区)泌尿器科・山口秋人副院長
 ▼久留米大学病院(福岡県久留米市)泌尿器科・松岡啓教授

July 20, 2007 10:00 AM

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