2007年07月19日
この病気にこの名医Part3
【第155回】直径4ミリ以下なら自然排出
尿路結石(3)
尿路結石の治療は「薬物療法」「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」「経尿道的結石破石術(TUL)」「経皮的結石砕石術(PNL)」「開放手術」と数多く、患者の状態と石の種類を考え合わせ、十分な話し合いの上、的確な方法が決められる。
「直径4ミリ以下の石ならば自然に排出されるといわれています。5ミリ以上になると多少難しくなります。ただ『8ミリ以下ならば石の自然排出を待っても良い』という基準もあります。その場合、痛みをいかにコントロールするかという問題があります。痛くてしようがないとき、腎臓機能が障害されているときには早めの治療が必要となるケースもあります」と、薬物療法とほかの治療との境界を話すのは、国際医療福祉大学(東京都港区)尿路結石破砕治療センターの荒川孝センター長である。
薬を使った薬物療法は保存療法。水分を1日2リットルは摂取して、石が尿と一緒に排出されやすくする。薬は排石しやすくするために「鎮痙(けい)剤」を使うこともあるし、痛みが強いときは「鎮痛解熱薬」が使われる。鎮痛解熱薬を長期間使うと、肝機能障害、腎機能障害といった弊害も出てきてしまう。
「おなかを切り開く開放手術をするか否かの時代(1990年代前半まで)には、石の自然排出を2カ月くらい薬を使って待ちました。今はそんなに長く待ちません。1カ月以内、早い場合は1~2週間で次の治療を判断します」。判断が早くなったのは薬の副作用のみならず、患者の身体に負担の少ない治療法が増えてきたからである。「薬の副作用」と「痛み」は無視できない重要なものである。
次の段階の治療としては、「ESWL」か「TUL」か「PNL」のいずれかを選択することになる。
◎ESWL 体外衝撃波結石破砕器を使い、体外から衝撃波を結石に集中するように当て、その力で結石を細かく砕く。
◎TUL 結果が早く出るが、入院を要する。尿道から内視鏡を挿入し、結石のある場所で内視鏡の先端からレーザーを照射して結石を砕く。
◎PNL 患者の背中から腎臓に向けて孔(あな)を開け、そこから内視鏡を入れて腎臓結石を砕く。
以上の治療がすべて難しいケースには、最終的治療として、開放手術が行われることもある。
【医療ジャーナリスト松井宏夫】
◆尿路結石の名医
▼名古屋市立大学病院(名古屋市瑞穂区)泌尿器科・郡健二郎教授、戸沢啓一講師
▼武田総合病院(京都市伏見区)泌尿器科・東義人副院長、山田仁手術部長
▼大阪厚生年金病院(大阪市福島区)泌尿器科・小出卓生副院長
July 19, 2007 10:00 AM
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