健康連載ブログ

2007年07月15日

この病気にこの名医Part3

【第151回】開腹までかかる最終診断

 卵巣がん(3)

 卵巣がんは早期の段階では、症状それ自体がない。それだけに、早期発見が難しい。「ただし、子宮筋腫とか子宮内膜症があり、そのチェックを定期的に行っていて、それでたまたま卵巣がんが早期に発見されることはあります」と指摘するのは、東京医科大学病院(東京都新宿区)産科婦人科の井坂恵一教授。

 そのほかは、腹部膨満感、骨盤の痛み、腹部の痛み、腹部の腫れなどの症状を訴えて受診する。が、卵巣がんの場合は、症状が出ていると進行しているケースがほとんどだ。卵巣がんが疑われて受診すると、婦人科では、まず「内診」と「経腟(ちつ)超音波(エコー)検査」が行われる。

 ◎内診 卵巣の状態を指で直接確認する検査。腟から指を入れて行う。

 ◎経腔超音波検査 腟にプローブ(探触子)を挿入してモニターに卵巣を映し出して様子を観察する。「両方の卵巣の大きさと腹水がたまっているかどうかを調べます。腫瘍(しゅよう)のあるときは、多くはどちらか一方にあります」。

 卵巣が大きいからといって、すぐに腫瘍があるとはいえない。「正常でも卵巣は大きくなります。閉経後の人は卵巣がほとんど見えませんので、それが見えると問題のあるのが分かります。ところが、生理のある人は、生理の周期によって大きさが変わります。それを区別する必要があるので、熟練していないと難しい」。

 また、腫れていて腫瘍のあるのが分かっても、次に良性か悪性かの判断が必要。そこで「CT」や「MRI」といった画像検査がプラスされる。

 ◎CT検査・MRI検査 がんと良性腫瘍の違いを知るのに有効。特に、CTの造影剤を使った造影検査が優れている。「がんの場合は血管があるので造影剤が染まって見えます。良性は染まりません。一般にがんと診断された場合は開腹になります。腹腔(ふくくう)鏡は良性のケースにしか行われません」。

 ◎血液検査 診断の補助としてCA125、CA19-9などの卵巣腫瘍マーカーをチェック。ただし、がんが進行しないと数値が高くならないので、早期がんの発見には向かない。補助的なものである。

 そして、卵巣がんの最終的診断は、「開腹して病巣の細胞を採取し、病理検査して決まる」というから、がんの中でも厳しいがんといえる。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆卵巣がんの名医
 ▼東京医科大学病院(東京都新宿区)産科・婦人科・井坂恵一教授、寺内文敏准教授
 ▼国立がんセンター中央病院(東京都中央区)乳腺グループ・勝俣範之医長
 ▼名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)産婦人科・吉川史隆教授

July 15, 2007 10:00 AM

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