健康連載ブログ

2007年07月13日

この病気にこの名医Part3

【第149回】生理が来る前に発症も

 卵巣がん(1)

 卵巣にできる卵巣がんは、急激な増加カーブを描くことはないが、着実にその死亡者数が増えているがんである。1994年は3871人、10年後の04年には4420人。そして翌05年は47人増加の4467人になっている。

 卵巣は、子宮の両側に一対ある臓器で、楕円(だえん)形をした親指程度の大きさで、重さ約6グラム。「卵子を成熟させるとともに、女性ホルモンを分泌する重要な働きを担っています」と、東京医科大学病院(東京都新宿区)産科婦人科の井坂恵一教授は言う。そして、卵巣がんの増加理由として「検査機器の発達などによって、より診断がつくようになったからではないでしょうか」と話す。

 卵巣がんになりやすい人も、さまざまいわれている。

 <1>初経が早い人。閉経が遅い人 「胎児性がんに『卵巣胚(はい)細胞腫瘍(しゅよう)』があります。胚細胞とは受精・排卵といった生理現象に関連した細胞。そこに発生した卵巣胚細胞腫瘍は10代、20代の若い人に多く、10代以下の8歳、9歳でも発症することがあります。生理が来る前に発症することもあるのです。しかし、その原因については、まだよく分かりません」。

 <2>出産経験のない人 最近は結婚しない女性が増え、出産経験のない人も増加している。「確かに、そういった環境因子も卵巣がんの増加に関係しているかもしれませんが、やはり、まだはっきりした原因は分かりません。ただ、不妊治療を長く行っていると、それは無理に排卵させるのですから卵巣がんと関係するかもしれません」。

 <3>家族因子 遺伝的因子の強いがんとして、乳がん、大腸がん、そして、卵巣がんがいわれている。母親や祖母が卵巣がんを経験している場合のリスクは高くなる。

 そして、卵巣がんの困るのは早期発見の難しい点である。「卵巣がんが進んでくると卵巣が大きくなったり、腹水がたまってくるので、おなかが張ってきます。いわゆる腹部膨満感です。それで気が付きますが、小さいと分かりません」。実際、卵巣がんよりも先に、転移した肺がんが呼吸困難の症状で見つかることも、決して珍しいことではない。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆卵巣がんの名医
 ▼北海道大学病院(札幌市北区)婦人科・桜木範明教授
 ▼札幌鉄道病院(札幌市中央区)産婦人科・寒河江悟副院長
 ▼岩手医科大学付属病院(盛岡市)産婦人科・杉山徹教授
 ▼東北大学病院(仙台市青葉区)婦人科・八重樫伸生教授

July 13, 2007 10:00 AM

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