2007年07月12日
この病気にこの名医Part3
【第148回】乳頭、濾胞、髄様は手術が基本
甲状腺がん(4)
甲状腺がんの治療には「手術療法」「甲状腺ホルモン療法」「化学療法」「放射線治療」が行われている。
◎手術療法 甲状腺がんには乳頭がん、濾胞(ろほう)がん、髄様(ずいよう)がん、未分化がん、悪性リンパ腫の5つがある。その中の前者3つのがんでは、手術が基本。がんを含めた甲状腺の切除とリンパ節の切除が行われる。
乳頭がん、濾胞がんでがんが小さいときは低侵襲性の「小切開甲状腺切除術」が一般的。「首の傷は3~4センチで、一般に行われている手術の半分から3分の1の長さです。手術による剥離(はくり)面積が少ないため、手術後の疼痛(とうつう)、不快感は著しく減少し、患者さんは退院後の首の違和感、張った感じ、硬くなった感じ、肩凝りなどからも解放されます」と、甲状腺がんの治療で定評のある、帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)外科の高見博主任教授は言う。小さな傷は「高齢者はしばらくするとシワと区別しにくいほどになります。若い女性の場合、高齢者よりも目立ちますが、2~3年すればかなり分からなくなります」。
しかし、進行したがんでは甲状腺全摘、拡大頸部(けいぶ)リンパ節郭清(かくせい)などの大きな手術を行うこともあり、術後の合併症は避けられない。それは、反回神経を切離した場合の「しわがれ声」と「誤飲」が1つ。もう1つは副甲状腺摘出によるもので、血中カルシウム値の低下である。そのときは「カルシウム剤、ビタミンD3剤を多くは永続的に内服していただきます」。
◎甲状腺ホルモン療法 甲状腺ホルモン剤はがん細胞の増殖を抑えるといわれているので、術後、長期服用。
◎化学療法 抗がん剤を使った治療。未分化がんと悪性リンパ腫では化学療法や放射線治療が優先される。
◎放射線治療 乳頭がん、濾胞がんが肺・骨に転移しているときなどに、甲状腺全摘後に放射性ヨードの大量療法を行うことがある。アイソトープ治療という。「放射性ヨードががん細胞に取り込まれて、がん細胞を破壊するのを期待する治療です」。
また、がん細胞が大きい場合には、放射線を外照射することもある。「甲状腺がんの多くは予後は良好で、手術による機能障害も少ないので、勇気と希望を持って治療を受けて下さい」と、高見主任教授は話す。
【医療ジャーナリスト松井宏夫】
◆甲状腺がんの名医
▼隈病院(神戸市中央区)宮内昭院長
▼やましたクリニック(福岡市博多区)山下弘幸院長
▼野口病院(大分県別府市)野口志郎院長
July 12, 2007 10:00 AM
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