2007年07月11日
この病気にこの名医Part3
【第147回】良性、悪性確認する細胞診
甲状腺がん(3)
甲状腺がんは初期には際立った症状がない。だから-。「ご本人は気が付かず、周りの人や健診などで医師に指摘されることが多いのです」と、帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)外科の高見博主任教授は言
指摘され、受診すると、検査が行われる。甲状腺疾患が疑われる場合の検査の基本は触診である。
◎触診 「甲状腺を触診すると、腫瘍(しゅよう)の有無や数などある程度のことは分かります」。ここでは良性腫瘍か悪性腫瘍かの確実な鑑別はできないことが多く、この先の検査が必要となる。
◎血液検査 甲状腺ホルモン値や抗体値などを調べて、甲状腺の働きをみる。「甲状腺がんでは甲状腺の働きは正常なので、甲状腺ホルモン値もほぼ正常です。ただ、甲状腺がんの中の未分化がんの場合、白血球数の増加と血沈(血液沈降速度)が速まります。特殊な例として、甲状腺髄様がんでは血液中のカルシトニンやCEA(腫瘍マーカー)が異常な高値を示すので確実に診断できます」。
◎超音波(エコー)検査 超音波検査は痛みもなく被ばくすることもない検査で、15分程度で終了する。「甲状腺の腫瘍が良性か悪性かが、ある程度分かります。例えば、発生頻度の多い乳頭がんでは、がんの形状は不整、内部エコーは不均一、ときに砂粒状の石灰像などが見られます」。
◎穿刺(せんし)吸引細胞診(細胞診) 「良性、悪性を確認するために行うのが細胞診です」。超音波で腫瘍部分を確認しながら、甲状腺の腫瘍に直接細い針を刺し、細胞を吸引し、それを顕微鏡を使って診断する。「これを行うと、3ミリ程度の小さな腫瘍も確実に調べられます」。外来で行える検査で、麻酔も必要としない。「超音波検査と細胞診が最も重要な検査です」。
がんの状況によっては、CT検査、シンチグラム、MRI検査、食道造影、気管支鏡検査などを行い、広がりや転移の有無を調べる。
【医療ジャーナリスト松井宏夫】
◆甲状腺がんの名医
▼東泉クリニック(静岡市葵区)東泉東一院長
▼石垣甲状腺クリニック(浜松市中区)石垣実弘院長
▼名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)乳腺・内分泌外科・今井常夫科長
▼藤田保健衛生大学病院(愛知県豊明市)内分泌・乳腺外科・岩瀬克己教授
July 11, 2007 10:00 AM
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