健康連載ブログ

2007年07月10日

この病気にこの名医Part3

【第146回】際立った症状表れない

 甲状腺がん(2)

 甲状腺は気管の前、のど仏の下にある。その甲状腺にできる悪性腫瘍(しゅよう)が甲状腺がんである。甲状腺がんは「乳頭がん」「濾胞(ろほう)がん」「未分化がん」「髄様(ずいよう)がん」「悪性リンパ腫」の5種類。圧倒的に多いのが乳頭がんで、甲状腺がんの約85%を占めている。次いで濾胞がんが約10%、残りの3つのがんは数少ない。

 「甲状腺がんは若い方にも多いのが特徴で、乳頭がんや濾胞がんは40代が最も多く、次いで30代、20代の順になっています。まれに10代の方に発生することもあります」と、甲状腺がんの特徴を話すのは、帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区賀)外科の高見博主任教授。そして、もうひとつ付け加えた。「女性が圧倒的に多くなっています」。

 乳頭がんは発育がゆっくりで、周囲のリンパ節への転移はあるものの、遠く離れた臓器への転移は極めてまれなたち(性質)の良いがん。濾胞がんもたちの良いがんではあるが、肺や骨への転移がみられる。「たちの悪いのは未分化がんで、50歳以上の人に多く、性別では男女に違いはありません」。髄様がんは遺伝性のものが約30%にみられる。「遺伝性の髄様がんでは副腎の褐色細胞腫や副甲状腺腫瘍を合併していることがあります」。そして、悪性リンパ腫は橋本病(慢性甲状腺炎)の経過中に発生するものがほとんどである。

 甲状腺がんは、基本的には際立った症状が現れないのが特徴。「進行すると、のどに圧迫感があったり、声がかすれたり、気管・食道などに浸潤しますと、血痰(けったん)が出たり、物がのみ込みにくいなどの症状があります。また、未分化がんでは、呼吸困難、物が食べられない、体重が減る、といった全身症状も出てきます。悪性リンパ腫では急激に甲状腺腫が大きくなります」。

 声がかすれるという症状は、がんが大きくなってその近くを通る声帯の運動を支配する反回神経を障害したときに起こるものである。基本的には症状が現れないがんなので、健康診断をきちっと定期的に受けておくことが、早期発見への近道なのである。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆甲状腺がんの名医
 ▼東京女子医科大学病院(東京都新宿区)内分泌外科・小原孝男教授
 ▼伊藤病院(東京都渋谷区)伊藤公一院長
 ▼日本医科大学付属病院(東京都文京区)内分泌外科・清水一雄教授
 ▼神奈川県立がんセンター(横浜市旭区)乳腺甲状腺外科・吉田明部長

July 10, 2007 10:00 AM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/11752

このリストは、次のエントリーを参照しています: 【第146回】際立った症状表れない:

» 帝京大学医学部附属病院〔十条〕 from ブログで情報収集!Blog-Headline/health
「帝京大学医学部附属病院〔十条〕」に関連するブログ記事から興味深いものを選んでみました。ぜひ、読み比べてみてください。 =2007年7月10日収集分... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月10日 22:49