2007年07月06日
この病気にこの名医Part3
【第142回】ダブルバルーン内視鏡で確実に診断
クローン病(2)
炎症性腸疾患の1つ、難病指定されているクローン病は原因不明なので、根本治療がない。日本の患者数は約2万5000人と、年々増え続けている。口から肛門(こうもん)に至る消化管のどこにでもスキップ状に慢性の炎症が起きるので、激しい腹痛や下痢の症状が続く。
「中には熱が出て下血、貧血を起こす人もいます」と、慶応義塾大学病院(東京都新宿区)消化器内科の日比紀文教授は言う。発症年齢は20歳前後ではあるが、10代前半の人もいる。「体に力が入らず、つらいので学校を休む。すると『怠け病』といわれるケースもあります。ビジネスマンの場合は『仕事もしないで休む』と陰口をたたかれてしまう。こういった問題もあったのですが、最近はだいぶん病気を理解する人も増え、また、診断が早くつくようになってきましたので、多少は良くなってきたかと思います」。
診断に結び付く検査は、問診から始まって血液検査など広く行う。「血液検査ではアルブミンタンパクが少ないから栄養状態が悪いとか、貧血、炎症反応などが分かります。若いのになぜ? という間接的なチェックになります。クローン病をしっかりと診断づけるのは『大腸内視鏡検査』と『小腸造影検査』です」。
◎大腸内視鏡検査 大腸内視鏡を使って、大腸内に炎症や潰瘍(かいよう)が起きていないか。起きているときは、どのような状態で起きているかを見る。「ただ、クローン病の厄介なのは、口から肛門までの消化管に炎症が起きるものの、大腸に必ず疾患があるとは限らないことです」。
◎小腸造影検査 バリウムをのむ、または鼻から管を入れてバリウムを流し込み、小腸のエックス線撮影を行う。
「この2つの検査で診断はつきますが、場合によっては『組織診』を行うことがあります。この場合は、小腸の検査・治療が行える『ダブルバルーン内視鏡』を使って組織を採って調べます。これによって判別の難しいクローン病と腸結核か確実に診断がつきます」。
未知の臓器ということから「暗黒大陸」といわれていた小腸。そこにも検査機器が入るようになり、光が差してきた。
【医療ジャーナリスト松井宏夫】
◆クローン病の名医
▼東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)消化器内科・渡辺守教授
▼慶応義塾大学病院(東京都新宿区)消化器内科・日比紀文教授
▼社会保険中央病院(東京都新宿区)内科・消化器内科・高添正和部長
▼東京女子医科大学病院(東京都新宿区)消化器病センター内科・飯塚文瑛准講師
July 6, 2007 10:00 AM
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