健康連載ブログ

2007年07月09日

この病気にこの名医Part3

【第145回】甲状腺の病気は80%が女性

 甲状腺がん(1)

 病気を思うと、人は不安になって受診をためらいがちである。「甲状腺の病気、特に腫瘍(しゅよう=腫瘤=しゅりゅう、しこり)は症状がなく、本人は気付かず、周りの人や健診時に医師にいわれることが多いのです。甲状腺のしこりがあるといわれても、決して不安になったりせずに受診してください。ほとんどの場合は良い経過をたどり、普通の生活ができます」と言うのは、帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)外科の高見博主任教授。甲状腺がんの治療で定評がある。

 甲状腺は首の気管の前、のど仏の下にあり、チョウが羽を広げた形をしている。大きさは3センチ、重さは15グラム程度。正常な甲状腺は軟らかくて薄いために触れても分からない。甲状腺の働きは-。「甲状腺は海草の中のヨードを取り込み、甲状腺ホルモンを作って分泌し、身体の新陳代謝を盛んにする働きがあります。また、子供では成長を促進させます。その甲状腺ホルモン分泌のコントロールを行っているのは、脳の下垂体です」。

 甲状腺の病気の中で最も多いのは「橋本病(慢性甲状腺炎)」。次いで甲状腺腫瘍などである。甲状腺腫瘍には良性と悪性があり、悪性腫瘍が、いわゆるがんである。

 甲状腺がんを含めた甲状腺の病気は圧倒的に女性に多く、約80%を占めている。「甲状腺腫瘍はほかの腫瘍と異なり、20代の若い方からも発症するという特徴があります」。若い人にも腫瘍ができるという点で、かなり心配にもなる。「腫瘍でも、幸いなことに良性がはるかに多いのです。良性腫瘍の多くは手術をせずに経過観察です。もしも悪性と診断されてもがっかりすることはありません。甲状腺がんの多くはたち(性質)の良いがんです。きちっと手術を受けて進行していなければ大部分は治ります。これが甲状腺がんの特徴です」。

 事実、甲状腺がんは5種類に分類されるが、その約85%を占めるのが「乳頭がん」。乳頭がんは発育が遅く、がんのたちが良いとされている。

 ◆橋本病(慢性甲状腺炎) 甲状腺に慢性的な炎症が起こる病気。自己リンパ球が自分の甲状腺を外敵とみなして攻撃してしまうのが原因。進行して、甲状腺機能低下症になると、元気なく疲れやすい、むくみ、便秘、記憶力の低下、寒がり、などの症状が出る。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆甲状腺がんの名医
 ▼栗原クリニック(盛岡市)栗原英夫名誉院長
 ▼筑波大学付属病院(茨城県つくば市)乳腺・甲状腺・内分泌外科・八代享講師
 ▼帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)外科・高見博教授
 ▼金地病院(東京都北区)山田哲理事長

July 9, 2007 10:00 AM

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