健康連載ブログ

2007年06月30日

この病気にこの名医Part3

【第136回】ポリペクトミーで患部焼き切る

 胃ポリープ(4)

 胃ポリープは、検査を行って内視鏡切除を行うか経過観察かが判断される。「内視鏡切除と診断されるのは、ポリープが『過形成性ポリープ』で、生検でがん化が発見された場合。また、貧血を起こすほどの出血に結び付いているとか、直径が2センチ以上に大きくなった場合です」と解説するのは、国際医療福祉大学付属病院(静岡県熱海市)消化器内科の川口実副院長。

 胃ポリープの多くが過形成性ポリープで、胃の表面上皮が過剰に増殖してできる。胃内にすみつき、胃潰瘍(かいよう)や胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ菌が関係しているとされる。「過形成性ポリープで経過観察のときには、ピロリ菌の除菌を行うことがあります。ポリープが退縮する可能性があるからです。ただし、保険適用ではありません」。

 内視鏡切除となると、経口内視鏡で行われる。経鼻内視鏡は直径4・9ミリと細いため、切除器具が入らず使えないのである。さらに、内視鏡を使った切除方法は「ポリペクトミー」「粘膜切除術」「切開・剥離(はくり)法」がある。

 ポリペクトミーは内視鏡の先からスネアといわれる輪になったワイヤをポリープにかけ、ギュッと締めて高周波電流を流し、ポリープを焼き切る。粘膜切除術は隆起していないケースに、病巣の下に生理食塩水を注入して隆起させ、ポリペクトミーで切除する。そして、切開・剥離法は生理食塩水で病巣を隆起させて剥離する方法である。「胃ポリープの場合はポリペクトミーだけで十分に対応できます」。

 過形成性ポリープではなく、胃底腺という組織の過形成によって隆起した「胃底腺ポリープ」の場合は-。「胃縮も胃炎もないので、逆に胃酸過多状態です。胃に痛みがあるときは胃酸を抑制する薬を服用してもらいます。このタイプはまず胃がんにはなりません」。

 さらに、胃ポリープが疑われると、検査では食道、胃、十二指腸をチェックするので、ときに皇太子さまのような「十二指腸ポリープ」が見つかることもある。「皇太子殿下の場合は腺腫(せんしゅ)と聞いています。腺腫はわずかではありますが、がん化する可能性があります」。皇太子さまは6月6日、内視鏡切除を受けられた。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆胃ポリープの名医
 ▼川崎医科大学付属病院(岡山県倉敷市)食道・胃腸内科・春間賢教授
 ▼三豊市立永康病院(香川県三豊市)内田善仁病院長
 ▼福岡大学筑紫病院(福岡県筑紫野市)消化器科・松井敏幸教授

June 30, 2007 10:00 AM

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