健康連載ブログ

2007年06月26日

この病気にこの名医Part3

【第132回】進行状況などで異なる切除範囲

 胆道がん(4)

 胆道がんと診断されると、基本は手術。どの範囲をどのように切除するかは、がんの進行状態や胆道のどこにできるかで、大きく異なる。

 まず、胆管がんは胆管の上部・中下部・乳頭部で治療は異なる。胆管は肝臓に近いところから、上、中、下部、そして十二指腸への出口の乳頭部と分けられている。「上部にがんができると、肝臓も一緒に切除することになります。胆管のすぐ脇を肝臓へ行く血管の門脈が走っており、がんの浸潤があるからです」と言うのは、東京女子医科大学消化器病センター(東京都新宿区)外科の山本雅一主任教授。

 同センターの胆道がんの手術数は06年12月26日現在で911例。国内でトップレベル。特に胆のうがん、乳頭部がんに関しては日本一の切除数である。「それでも、周囲の神経やリンパ節に転移していると、大きく切除しても再発が起こります」。

 中下部・乳頭部にがんができると、膵(すい)臓のすぐ脇とあって、膵臓の膵頭部を一緒に切除する。「下部や乳頭部のがんは周囲の膵臓ごと切除が可能であり、治癒切除となる割合が高く、そのため、上部よりも成績は良くなっています」。

 一方、胆のうがんは、がんが胆のうの中だけにとどまっていると、胆のうだけを摘出すると、手術は終了する。ところが、がんが胆のうの壁を破って増殖していると成績は悪くなる。「がんが肝臓に達していると、胆のう以外に肝臓の一部とリンパ節を切除します。膵臓にも達していると、胆のう以外に、肝、膵、リンパ節を切除します。ただ、そこまでの手術を行っても良い成績は得られません」。

 また、10年も前は手術をすることで亡くなる患者がいた。「今は手術によって死ぬことはほとんどなく、安全にできるようになりました。その点で、正確な生存率が出る時代になりました」。

 ちなみに、治癒切除ができた同センターの5年生存率は乳頭部がん68%、下部胆管がん53%、中部胆管がん40%、上部胆管がん47%、胆のうがん66%。再発したり、がんが取り切れなかった場合は化学療法(抗がん剤)が行われる。もちろん、再発予防にも行われている。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆胆道がんの名医
 ▼三重大学医学部付属病院(三重県津市)胆肝膵外科・田端正巳講師
 ▼徳島大学病院(徳島県蔵本町)消化器・移植外科・島田光生教授
 ▼宮崎大学医学部付属病院(宮崎県清武町)第1外科・千々岩一男教授
 ▼佐賀大学医学部付属病院(佐賀市)消化器外科・宮崎耕治教授

June 26, 2007 10:00 AM

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