健康連載ブログ

2007年05月21日

この病気にこの名医Part3

【第97回】動脈硬化性疾患起こしやすい

 肥満症(1)

 メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)が大きな注目を集め、生活習慣病予防の柱として「メタボ対策」が打ち出されている。メタボのベースとなるのは肥満。この肥満も一線を超えると、単独で肥満症という病気になる。

 「肥満症の定義には2つあります」と言うのは、東京逓信病院(東京都千代田区)内分泌代謝内科の宮崎滋部長。

 日本肥満学会が決めた肥満症の定義は、<1>BMI(ボディーマスインデックス)が25以上の人で、肥満に基づく関連障害10疾患のうち、1つ以上合併している<2>BMIが25以上あって、内臓脂肪の蓄積がはっきり認められる。「10の疾患とは糖尿病、高脂血症、高血圧、高尿酸血症、脂肪肝、心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞、変形性関節症、月経異常、睡眠時無呼吸症候群です。この10の疾患のうちいくつかというのではなく、1つでもあると肥満症です」。

 BMIが25を超えている人にとっては「なかなか厳しい」の声も上がりそうだ。

 「<2>については、疾患を合併していなくても内臓脂肪がCT(コンピューター断層撮影)で測って100平方センチ以上ある場合です。<1>と<2>、どちらかが当てはまれば肥満症となります」。肥満症と病名がつくと治療を必要とする病気となる。ただ、太ってはいるものの、合併している病気はないし、内臓脂肪も蓄積されていない人もいる。この場合はBMIが25を超えていても、単なる肥満となり、保険適用にはならない。

 他の多くの病気を合併しやすい内臓脂肪型肥満こそが大きな問題となるのである。「肥満症の合併症は動脈硬化性の血管疾患を起こしやすいのです。肥満症の先進国の欧米では、そういった疾患が多いのです。その先進諸国に追いつこうとするかのように、日本でも肥満症から動脈硬化を起こして、心筋梗塞や脳梗塞で亡くなる方が、今後もっと多くなると推測されます」。

 だからこそ、国を挙げての「メタボ対策」なのである。

 ◆BMI 肥満を判定する方法。現在の体重(キロ)÷身長(メートル)の2乗で計算する。BMI18・5~25が「正常」、25~30「肥満1度」、30~35「肥満2度」、35~40「肥満3度」、40以上「肥満4度」。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆肥満症の名医
 ▼札幌医科大学付属病院(札幌市中央区)第2内科・島本和明教授
 ▼筑波大学付属病院(茨城県つくば市)代謝内分泌内科・山田信博教授
 ▼群馬大学医学部付属病院(群馬県前橋市)第1内科・森昌明教授
 ▼埼玉医科大学病院(埼玉県毛呂山町)内分泌内科・糖尿病内科・片山茂裕教授

May 21, 2007 10:00 AM

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