健康連載ブログ

2007年05月03日

この病気にこの名医Part3

【第80回】治療は「保存」と「外科的」の2つに

 顎関節症(4)

 顎(がく)関節症は、主に歯科医が診療しており、診断がつくと治療に入るが、専門医を紹介される場合もある。「口が開きにくい」「あごがカクカク音がする」「顎関節や周辺が痛い」などの症状が起きる顎関節症は致命的な病気ではないが、患者のQOL(生活の質)を低下させ、重症になると回復するのに数年かかることも珍しくない。

 治療は大きく「保存治療」と「外科的治療」に分けられる。

 ◎保存治療 身体に傷をつけない治療。「薬物療法」「理学療法」「運動療法」「スプリント療法」「心身医学療法」などがある。

 痛みが強いときは鎮痛薬、あごの筋肉の緊張が強いときは筋弛緩薬、不安が強いと抗不安薬などが処方される。

 理学療法は低周波・温熱療法・超音波などで、整形外科とよく似ている。

 運動療法は「あごのリハビリと考えてください。顎関節の柔軟性を回復させて開口量を増加させたり、筋肉のストレッチをします。患者さんに指導して、自宅で1日に数回行ってもらいます」と、顎関節症の治療で定評のある日本大学松戸歯学部(千葉県松戸市)客員教授、神奈川歯科大学(神奈川県横須賀市)臨床教授の和気裕之みどり小児科院長(横浜市青葉区)は解説する。

 スプリント療法は、歯に取り外しのできる装置を装着する。「歯型を取り、各自に合ったスプリントを作成します。装着していると顎関節に大きな負担がかからず、安静が保たれます。また、夜間使用していただくことで、かみしめや歯ぎしりなどによる害を少なくすることが期待されます」。もし、かみ合わせの異常が見つかっても、それが直接の原因とは断定できないので、すぐに歯を削る治療は行わず、スプリントを用いたり、ほかの因子も探しながら経過を診る。

 心身医学療法は、心理的・環境的なストレスや性格の因子が大きい場合に行われる。最近は、心療歯科を行っている大学病院も現れた。

 ◎外科的治療 顎関節の関節円板や骨の障害が大きく、保存治療では効果がないときに行われる。「関節腔(くう)内洗浄療法」「関節鏡手術」などがあり、大学病院や総合病院の口腔外科で行われているが、対象となる患者は1%程度である。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆顎関節症の名医
 ▼新潟大学医歯学総合病院(新潟市中央区)顎顔面口腔外科・高木律男教授
 ▼大阪歯科大学付属病院(大阪市中央区)口腔外科第2・覚道健治教授
 ▼岡山大学歯学部付属病院(岡山県鹿田町)第1補綴科・窪木拓男教授
 ▼九州大学歯学部付属病院(福岡県東区)義歯補綴科・古谷野潔教授

May 3, 2007 10:00 AM

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