2007年05月01日
この病気にこの名医Part3
【第78回】カクカク音だけは経過を診る
顎関節症(2)
顎(がく)関節と咀嚼(そしゃく)筋に問題が生じ、あごの痛み、カクカク鳴る、口が開かない、といった症状を引き起こす顎関節症。その原因は-。
「現在、1つの因子では起きないといわれています。すなわち多因子性で幾つかの発症に関係する因子と、症状を長引かせる因子があります」と、顎関節症治療で定評のある日本大学松戸歯学部(千葉県松戸市)客員教授、神奈川歯科大学(神奈川県横須賀市)臨床教授の和気裕之みどり小児歯科院長(横浜市青葉区)は解説する。
多因子の1つとしてあげられるのが、顎関節や咀嚼筋の脆弱(ぜいじゃく)性。「例えば、バイオリニストやダイビングなどで、普通よりあごに大きな負担をかける方でも、みんなに症状が出るのではなく、生まれつき顎関節や筋肉などが弱い人の方が発症しやすいと考えられます」。そのほか、あごをぶつけたなどの外傷の既往、習慣的なかみしめ・食いしばり、かみ合わせの異常、心理社会的ストレス、性格などの因子が関係している。
「因子が重なって持続し、顎関節と咀嚼筋への負担が、個人個人の耐久力を超えてしまったときに発症します。すなわち、因子が多くても発症しない人がいる一方、因子が少ないのに症状が出る人もいるのです」。これが顎関節症の発症のメカニズム。
それでは、顎関節症の3大症状である「痛み」「開口障害」「雑音(カクカク音)」のそれぞれ原因は-。まず「痛み」は大きく関節痛と筋肉痛に分けられる。「関節痛は、顎関節内の主に滑膜(かつまく)に炎症が起きており、筋肉痛は、筋肉内にしこりができて、それが痛みを引き起こすのです」。開口障害は、上記の疼痛(とうつう)が原因になったり、顎関節中の関節円板というクッションがずれたり、癒着などが原因である。雑音はやはり関節円板のズレや、また穴が開いてクッションの役割をしなくなると、骨と骨がこすれることで現れる。
「カクカクなどの音はするが、痛みや開口障害がなく、普通に生活している人は大勢います。したがって、このような方は、検査をしてもすぐには治療を開始せず、しばらく経過を診ることが多いです」。音だけの場合は、あまり心配がない。
【医療ジャーナリスト松井宏夫】
◆顎関節症の名医
▼日本歯科大学付属病院(東京都千代田区)歯科補綴第1講座・小林義典教授
▼グリーンデンタルクリニック(東京都千代田区)島田淳院長
▼中沢歯科医院(東京都墨田区)中沢勝宏院長
▼慶応義塾大学病院(東京都新宿区)歯科・口腔外科・和嶋浩一講師
▼高野歯科医院(東京都足立区)高野直久院長
May 1, 2007 08:03 AM
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