健康連載ブログ

2007年03月18日

この病気にこの名医Part3

【第34回】パーキソン病との違い明確

本態性振戦(2)

 重い物を長く持っていたりした後に手が震えたり、緊張すると手が震えたりする人がいる。「それは生理的震えで、まったく問題はありません。ところが、原因が分かってはいない震えが、手、首、声に出てくる人がいます。それは『本態性振戦』という病気です」と、順天堂大学医学部老人性疾患病態治療研究センター(東京都文京区)の水野美邦センター長。手、首、声の震えが本態性振戦の典型的な症状なのである。

 だが、震えがあるからすべて本態性振戦ではない。「パーキンソン病と診断されて紹介されてくる患者さんの中に、実は本態性振戦という方がいらっしゃいます」。本態性振戦もパーキンソン病も、震えを症状に出す点では代表的疾患である。それだけに、両疾患の間では、正しい診断が行われていないケースも見受けられる。

 上手に病気をコントロールするためには、まずは正確な診断が大事になる。

 ポイント<1>本態性振戦は比較的両側対称的に震えが出てくる。つまり、左右同じように震える。ところが、パーキンソン病の場合は右側の方が強いとか、はっきり左右差がある。

 ポイント<2>本態性振戦は食事をしようとしてはしを持つと、手が震えるが、パーキンソン病は震えることなくゆっくりだが食事はできる。

 ポイント<3>本態性振戦では両手を伸ばしたり、手を上げたときに震えが起きる。一方、パーキンソン病の場合は、安静時に手が震え、手を前に上げると震えは軽くなる。「動作をしたときに震えるのが本態性振戦で、安静時に震えるのがパーキンソン病です」。

 ポイント<4>首の震えは本態性振戦にはあるが、パーキンソン病にはない。

 ポイント<5>「歩行障害」「動作緩慢」はパーキンソン病の典型的症状で、本態性振戦にはない。

 ポイント<6>本態性振戦は家族歴がかなりあるが、パーキンソン病は基本的にそういうことはない。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆本態性振戦の名医
 ▼順天堂大学医学部老人性疾患病態治療研究センター(東京都文京区)水野美邦センター長
 ▼順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)脳神経内科・服部信孝教授、望月秀樹助教授
 ▼日本大学板橋病院(東京都板橋区)脳神経外科・片山容一教授
 ▼東京都立神経病院(東京都府中市)脳神経内科・横地房子部長

March 18, 2007 09:34 AM

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