健康連載ブログ

2007年03月17日

この病気にこの名医Part3

【第33回】原因分からぬ手、首、声の震え

本態性振戦(1)

 腕が震える、首が震える、体が震えるなど、病気の症状として震えが起きる病気はいくつかある。

 その中の1つに「本態性振戦」がある。「症状は患者さんによって違いはありますが、最も多く訴えられるのは『両手を伸ばしたときに手が細かく震える』。手をひざの上に置いてジッとしているときは震えません。『首が細かく震える』『声が震える』方もいらっしゃいます」と、順天堂大学医学部老人性疾患病態治療研究センター(東京都文京区)の水野美邦センター長は話す。

 手、首、声の震え。この3つの症状が出てくるのが典型的な本態性振戦だという。「声の震えがない方もあり、いくつかの組み合わせがあります。もちろん、震えの重症度の違いもあります。さらに、遺伝性のケースがかなりあります。家族歴です」。

 ところが、本態性と病名にある通り、原因が分かっていない。本態性とは「原因が分からない」という意味である。「遺伝性の人がかなりいらっしゃるので、ある種の体質だろうと考えられています」。

 遺伝と分かると、子供にも出てしまうのでは…と、心配する方々が多い。「それは出たとしても心配することはありません。震え以外に歩行障害などはありませんから。歩行障害があると転びやすいし、ケガから寝たきりに結び付くケースもあるのですが、その心配がありません」。もちろん、首の震えが強い人では、人前に出るのを嫌がり、外出しなくなる人はいる。

 患者数は、40歳以上の人々の約6%にみられたという調査報告もある。「それもよく分かってはいません。私が感じている数字としては、パーキンソン病が10万人あたり160人ですので、その10分の1程度では…」。

 パーキンソン病、約20万人。本態性振戦患者、約2万人ということになるが、まだよく分かっていない。震えだけで日常生活に支障が出ているようであれば、本態性振戦を疑ってみる必要がある。

 ◆パーキンソン病 中脳の黒質にある神経細胞の変性によって起きる。進行すると「振戦」「固縮」「動作緩慢」「姿勢保持障害」の特徴的な4大症状がそろってくる。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆本態性振戦の名医
 ▼北海道大学病院(札幌市北区)神経内科・菊地誠志助教授
 ▼あべ神経内科クリニック(盛岡市)阿部隆志院長
 ▼東北大学医学部付属病院(仙台市青葉区)神経内科・武田篤講師
 ▼日高病院(群馬県高崎市)脳神経外科・大江千広機能脳外科ガンマナイフセンター長

March 17, 2007 09:39 AM

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