健康連載ブログ

2007年03月14日

この病気にこの名医Part3

【第30回】仕事、怒り…ストレスで上昇

低面高血圧(2)

 一般的高血圧以上に脳卒中、心筋梗塞(こうそく)などのリスクが高いことが分かり、今、仮面高血圧が注目されている。正常血圧にマスクされている仮面高血圧には「ストレス高血圧」「早朝高血圧」「夜間高血圧」がある。

 ◎ストレス高血圧 仕事や怒りなどのストレスによって血圧が上昇するタイプ。「1995年、阪神・淡路大震災が起きたとき、私は1万2000人の北淡町の診療所にいました。38人の方が震災後に脳卒中や心筋梗塞で亡くなりました。震災前と比較すると血圧が上昇し、脳卒中、心筋梗塞の人が1・5~2倍に増えました。恐怖のストレスが大きく関係しているのです」と、自治医科大学付属病院(栃木県下野市)循環器内科の苅尾七臣(かずおみ)教授は当時を思い出しながら話す。

 一般のオフィスでのストレスからくる血圧上昇についてはまだ研究が少なく、今後の研究が待たれる。

 ◎早朝高血圧 早朝に血圧が高くなる。朝起きたときの上(収縮期)の血圧が眠る前より15前後以上高い。加えて、早朝も眠る前も上の血圧が135を超えている。このタイプには、より血圧が早朝に急上昇する「モーニングサージ」がある。早朝の上の血圧が就寝前の上の血圧より55以上も高いタイプである。

 苅尾教授グループは519人の高血圧患者を対象にし、約5年間追跡調査を行った。466人はモーニングサージがなく、53人はモーニングサージがあった。「モーニングサージなしのグループで脳卒中を起こした人は7・3%、モーニングサージありのグループでは19%でした。モーニングサージのある人は同じ高血圧患者と比べても脳卒中のリスクは2・5倍高くなるのです」。

 ◎夜間高血圧 深夜から早朝にかけて血圧が高くなるタイプ。「降圧薬は1日1回服用タイプが中心で、人によって深夜に薬の効果が切れてしまっているのです。また、睡眠時無呼吸症候群、糖尿病で神経障害を合併している、心不全、腎不全などの人は夜間の血圧が上がりやすいのです」。

 本当は怖い仮面高血圧。あなたは大丈夫だろうか。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆仮面高血圧の名医
 ▼独協医科大学病院(栃木県壬生町)循環器内科・松岡博昭教授
 ▼自治医科大学付属病院(栃木県下野市)循環器内科・島田和幸教授(病院長)、苅尾七臣教授
 ▼東京大学医学部付属病院(東京都文京区)腎臓・内分泌内科・藤田敏郎教授
 ▼駿河台日本大学病院(東京都千代田区)循環器内科・久代登志男助教授

March 14, 2007 08:19 AM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/10075