健康連載ブログ

2007年03月15日

この病気にこの名医Part3

【第31回】全人口の15%が早朝高血圧

低面高血圧(3)

 診察室で血圧を測ると正常なのに、家庭で測ると高血圧という仮面高血圧の人が意外に多く、実はこの高血圧がより悪さをすることが分かってきた。

 その仮面高血圧の中でよく見られるのが早朝に血圧が高くなる「早朝高血圧」である。自治医科大学付属病院(栃木県下野市)循環器内科の苅尾七臣(かずおみ)教授は、その問題点を指摘した。「まず第1にプラス・アルファのリスクがあります。早朝は脳卒中や心筋梗塞(こうそく)が起こりやすい時間帯です。そのときに血圧が高いと脳卒中、心筋梗塞のリスクが高くなります」。

 その原因は自律神経に関係している。人間は、夜寝ているときに副交感神経が優位となり体はリラックスするので血圧は下がり、安定する。通常、深夜3時ごろに血圧は最も低くなる。早朝は、体を活動させるために副交感神経から交感神経優位へと変わる。「交感神経にはα作用とβ作用があります。α作用は末梢(まっしょう)血管を締めるので血圧が上がります。β作用は心拍数を上げ、収縮力も上げるので血圧は上昇するのです」。

 もちろん、血圧がある程度上昇するのは活動するための生理現象。問題なのは急激な早朝上昇である。「そのタイプをモーニングサージといいます。生理現象に、さらに血圧アップが加わるのです。これが第2の問題点です」。

 そして、第3の問題は、早朝高血圧が降圧療法の盲点になっている点である。「診察室では降圧薬が効いているので、しっかりコントロールされていると思われ、早朝高血圧が見逃されてしまっているのです」。治療を受けている人も含め、全人口の15%程度は早朝高血圧の人がいると推測されている。だから、早朝高血圧の問題点をしっかり予防するには、まず何より早く早朝高血圧に気付く必要がある。「4人に1人は高血圧患者の時代です。一家に1台血圧計を持ち、血圧を測ってほしいのです」。

 上腕血圧計で朝食前と就寝直前の2回測定する。そして週に5日以上測定して上(収縮期)の血圧が135、下(拡張期)の血圧が85以上の場合は、測定結果を持って医療機関を受診すべきである。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆仮面高血圧の名医
 ▼東京都老人医療センター(東京都板橋区)循環器科・桑島巌副院長
 ▼東京女子医科大学東医療センター(東京都荒川区)内科・大塚邦明教授
 ▼射水市民病院(富山県射水市)内科・麻野井英次院長
 ▼灰本クリニック(愛知県春日井市)灰本元院長

March 15, 2007 10:00 AM

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