健康連載ブログ

2007年03月16日

この病気にこの名医Part3

【第32回】10キロ減量すると血圧10~15下がる

低面高血圧(4)

 仮面高血圧の中で、より多く見られる早朝高血圧は、朝起きたときの上(収縮期)の血圧が眠る前より15前後以上高く、さらに、早朝も眠る前も上の血圧が135を超えているものである。脳卒中、心筋梗塞(こうそく)などのリスクがグンと高くなる。

 ところが、診察室では正常血圧とあって発見しにくい点があり、知らず知らずに“死への道”を走らされている。それをストップさせるには、何より家庭で血圧を測ることである。「家庭血圧の場合、高血圧に入るのは上の血圧が135、下(拡張期)の血圧が85以上です。気付いたら、測定結果を持って医療機関を受診しましょう」とアドバイスするのは、自治医科大学付属病院(栃木県下野市)循環器内科の苅尾七臣(かずおみ)教授。

 循環器内科では、次の検査を行う。

 ◎血圧測定 診察時の血圧を測る。このとき、家庭で早朝と就寝前に血圧を測った5日間以上の数値を持参するとよい。

 ◎血液検査 「血圧が基準値以上の人はメタボリック・シンドロームであることが多いのです。高脂血症、糖尿病などがないかを調べます」。

 ◎尿検査 「尿にタンパクが出ていないか診ます。腎障害が分かります」。

 ◎胸部エックス線検査&心電図 「心肥大がないかを診ます」。

 以上の検査で臓器障害の出ている人が20%近くいるという。

 そして、治療に入る。降圧薬を使った治療に入る前に「減量」「減塩」「カリウムを多く取る(緑色野菜と果物を取る)」「1日20分のウオーキング」「7~8時間の質の良い睡眠」を実践する。「10キロ減量すると血圧は10~15は下がります。それでもまだ不十分なときに、降圧療法を加えます」。

 降圧療法とは長時間作用型降圧薬の服用。これは朝まで薬が効いていない人などに対応する。薬の服用時間を朝から夜(もしくは就寝前)に変えることで早朝高血圧に対応する方法もあるし、服用を朝夕2回に分けるやり方もある。降圧療法に使われる薬には「カルシウム拮抗(きっこう)薬」「ACE阻害薬」「アンジオテンシン2受容体拮抗薬」「利尿薬」「β遮断薬」「α遮断薬」などがある。「薬の服用、薬の選び方は、担当医と十分に相談して最も適した方法を取るべきです」と、苅尾教授はアドバイスする。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆仮面高血圧の名医
 ▼大阪大学医学部付属病院(大阪府吹田市)老年・高血圧内科・荻原俊男教授
 ▼愛媛大学医学部付属病院(愛媛県東温市)第2内科・桧垣實男教授
 ▼高知大学医学部付属病院(高知県南国市)老年病・循環器・神経内科・西永正典助教授
 ▼九州大学病院(福岡市東区)冠動脈疾患治療部・広岡良隆講師

March 16, 2007 09:51 AM

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