健康連載ブログ

2007年02月28日

この病気にこの名医Part3

【第17回】涙も乾く、オフィスの生活習慣病

ドライアイ(1)

 目の疾患の中で、患者数の多いのが「ドライアイ」。ドライアイ研究会の調べでは推定患者数約800万人だが、最近の京都府立医大の調べでは約2200万人という数字が出ている。昔は「涙液分泌減少症」「乾性角結膜炎」「眼乾燥症」などと呼ばれていた。それが80年代後半から今の病名で呼ばれるようになり、一般に広く浸透した。

 「目の乾燥感のほか、目がショボショボする、目がゴロゴロする、物がぼやけるといった症状を訴えて受診する方が多い」と、ドライアイ研究会のメンバーである鶴見大学病院(横浜市鶴見区)眼科の後藤英樹助教授は言う。

 ドライアイは涙が減少して、目の表面が正常な状態を保てなくなる疾患。「涙が減少するだけではドライアイとは言いません。涙の量が減少して目を保護できなくなり、角膜や結膜が傷つく状態になって、初めてドライアイと診断されます。中には、自覚症状がないのに角膜や結膜に傷がつくタイプもあります」。

 涙には細胞成長因子物質が含まれており、これが角膜の傷を修復するのみならず、角膜に酸素・栄養も送っている。その重要な涙の量がなぜ減るのか-。原因として、後藤助教授は次の6点を挙げる。

 <1>シェーグレン症候群 自己免疫疾患の1つで、鼻、口、膣など全身の粘膜が乾く。その症状として目も乾く。この場合は重症になりやすい。

 <2>VDT症候群 パソコン、携帯でまばたきの回数が減少。さらにオフィスの乾燥化。この2つが相乗作用となって目を乾燥させる。症状が強いタイプである。コンタクトレンズ使用者も多い。

 <3>加齢 60歳以上になると涙の量が減少する場合がある。

 <4>涙の蒸発量が増えるタイプ 涙の分泌量は正常であるにもかかわらず、涙液の蒸発が高進して目が乾燥する。

 <5>花粉症などのアレルギー性結膜炎 涙を流す場合もあるが、涙液の安定性の低下を引き起こし目の乾燥の原因にもなる。

 <6>その他、全身疾患に伴う 移植片対(へんたい)宿主病、関節リウマチ、その他の膠原(こうげん)病に伴う。

 これらの中で患者数が多く、また増加してきている、といわれているのが<2><4>。オフィスの生活習慣病の一面も持っているといえる。

 ◆自己免疫疾患 外敵から身を守る「免疫」システムに何らかの原因で異常が起き、外敵ではない自分の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆ドライアイの名医
 ▼北海道大学病院(札幌市北区)眼科・田川義継 助教授
 ▼旭川医科大学付属病院(北海道旭川市)眼科・五十嵐羊羽講師
 ▼東北大学医学部付属病院(仙台市青葉区)眼科・西田幸二教授
 ▼筑波大学付属病院(茨城県つくば市)眼科・加治優一講師
 ▼東京歯科大学市川総合病院(千葉県市川市)眼科・島崎潤教授
 ▼慶応義塾大学病院(東京都新宿区)眼科・坪田一男教授、小川葉子講師、松本幸裕助手

February 28, 2007 09:34 AM

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