2007年02月27日
この病気にこの名医Part3
【第16回】赤ちゃんに多い網膜芽細胞種
目の悪性腫瘍(4)「目の中」
目にできる腫瘍(しゅよう)の中で「眼内」つまり「目の中」にできる悪性腫瘍には「網膜芽細胞腫」「悪性黒色腫(メラノーマ)」「眼内悪性リンパ腫」などがある。
◎網膜芽細胞腫 網膜芽細胞腫はカメラに例えるとフィルムに相当する網膜にできるがんで、赤ちゃんにみられるのが大きな特徴。1万5000人に1人くらいの割合で発生し、遺伝性のこともある。赤ちゃんなので症状の訴えはないが、「瞳の真ん中が白く見えたり、目の位置がずれてくる(斜視)ことで、両親が病気の存在に気付くことになります」と、東京医大病院(東京都新宿区)眼科の後藤浩教授はこの病気の症状を話す。
診断は、眼底検査が基本だが、超音波、CT、MRIといった画像検査も行われる。「治療は、腫瘍がある程度大きくなってしまった場合には眼球を摘出せざるを得ませんが、最近はある程度までの大きさならば、化学療法(抗がん剤の全身投与)やレーザー治療などを組み合わせることで、眼球を温存できるケースが増えてきています」。
◎悪性黒色腫 目の中のぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜)にできるがんである。検査は、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査、眼底検査が基本で、これに画像検査を補助的に行う。
「メラノーマも大きくなってしまうと治療には眼球摘出を余儀なくされますが、ある程度までの大きさならば、特殊な放射線治療、すなわち、重粒子線照射などで眼球や視力が温存できるケースも出てきました」。
◎眼内悪性リンパ腫 診断が難しい目の病気の1つである。「『かすみ目』や『視力低下』などを訴えて患者さんが眼科を受診しますが、初めのうちは『ぶどう膜炎』と診断されることがほとんどです。正確な診断を行うには目の中の細胞や組織を取って、詳しく調べる必要があります」。
治療には眼球に放射線を照射するのが一般的。最近は眼球の中に抗がん剤を直接注入する治療法も行われている。「このがんは頭の中(中枢神経系)にも同じものが発生することがあるので、目と頭の両方について定期的に検査を行う必要があります」と、後藤教授はアドバイスする。
【医療ジャーナリスト松井宏夫】
◆目の悪性腫瘍の名医
▼神戸大学医学部付属病院(神戸市中央区)眼科・安積淳講師
▼和歌山県立医科大学付属病院(和歌山市)眼科・大西克尚教授
▼国立病院機構岡山医療センター(岡山市)眼科・大島浩一医長
▼高知大学医学部付属病院(高知県南国市)眼科・上野脩幸教授
▼九州大学病院(福岡市東区)眼科・吉川洋助手
February 27, 2007 09:33 AM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/9921
