健康連載ブログ

2007年02月26日

この病気にこの名医Part3

【第15回】「物が二重に見える」「目が重たい感じ」

目の悪性腫瘍(3)「目の周囲」

 頭蓋(ずがい)骨の中で目のくぼんでいる部分を眼窩(がんか)と呼び、眼球はこの中に納まっている。この眼窩にはさまざまな種類の良性・悪性腫瘍(しゅよう)ができる可能性がある。

 「眼窩に腫瘍ができると、眼球が突出したり、目の位置が左右上下にずれてしまい(斜視の状態)、『物が二重に見える』といった症状が出ます。中には目が重たい感じを訴える方もいます」と、目の悪性腫瘍の治療・研究で定評のある東京医大病院(東京都新宿区)眼科の後藤浩教授は症状を話す。

 眼窩にもさまざまな悪性腫瘍があるが、最も多いのは「悪性リンパ腫」。治療の難しいものとしては「涙腺がん」がある。

 ◎悪性リンパ腫 診断には、MRIなどの画像検査に引き続き、腫瘍の一部を切除して組織を調べる「生検」が行われる。最近は遺伝子の再構成の有無を調べるといった特殊な検査も行われる。「眼窩にできる悪性リンパ腫の多くは放射線治療で完治させることができますが、中には全身的に抗がん剤の投与が必要な厄介なタイプのものもあります」。

 ◎涙腺がん 涙腺は涙を産生するところで、眼窩の上外側、目尻の奥のほうにある。この涙腺にできる悪性腫瘍が「涙腺がん」。症状には「上まぶたの腫れ」などが加わる。検査は、まずは問診、触診を行い、CT検査やMRI検査で腫瘍の大きさや性質を推定する。そして、悪性リンパ腫と同じように「生検」をしたりして治療に入る。「涙腺がんは最も治療が難しい目のがんの1つです。以前は外科的治療、つまりまぶたや眼球とともに眼窩の組織をすべて切除する方法が一般的でしたが、最近は特殊な放射線治療(重粒子線の照射など)によって眼球の温存が可能なケースも出てきました」。

 ◆重粒子線治療 放射線は光子線、電子線、粒子線に大別される。光子線には電磁波、エックス線、ガンマ線があり、粒子線には中性子線、陽子線、重粒子線がある。重粒子線治療は炭素、アルゴン、ネオンなどを使い、周囲の組織を壊さずにがんをたたく。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆目の悪性腫瘍の名医
 ▼新潟大学医歯学総合病院(新潟県新潟市)眼科・江口功一非常勤講師
 ▼金沢大学医学部付属病院(石川県金沢市)眼科・高比良雅之講師
 ▼聖隷浜松病院(静岡県浜松市)眼形成眼窩外科・嘉鳥信忠部長
 ▼国立病院機構名古屋医療センター(名古屋市中区)眼科・久保田敏信医師

February 26, 2007 10:30 AM

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