健康連載ブログ

2007年02月18日

この病気にこの名医Part3

【第8回】炎天下ゴルフもってのほか

慢性腎炎(4)

 精密検査で慢性腎炎と診断がつくと、治療に入る。急性腎炎で発症した場合、一般的に小児は治るものの、大人の治癒率は20~30%と低く慢性腎炎に移行することもある。慢性化した場合、当然、長期にわたって慢性腎炎と歩むことになってしまう。

 そういった点を考慮し、東京都済生会中央病院(東京都港区)内科の栗山哲部長は次のように言う。「基本的治療は、まずは自己管理です。これがベースになり、その上で『日常生活(一般療法)』『食事療法』『薬物療法』をしっかりと行うことが大事です」。

 ●日常生活(一般療法) 「腎機能が30点の人には『これまでの仕事の30%程度にしてください』と言っています。営業だった人は総務などの事務系に。その場合、まずは会社に腎臓病であることを言わなければなりません。腎臓病と分かると、リストラにかかる会社がいまだにあり、難しい点があります。しかし、それをクリアし腎臓を保護する必要があります」。運動は炎天下でのゴルフなどはもってのほか。炎天下でのゴルフは、大量の発汗で腎臓への血液の流れがグンと減少するので、状態を悪くする。「運動は腎機能の状態を十分に把握し、適度に行いましょう。水中歩行などは良い運動です」。そして、規則正しい生活を。休憩時間などには横になって、10分でも20分でも休むのがポイントである。

 ●食事療法 「低たんぱく」「減塩」「十分なエネルギー(カロリー)」が基本となる。「特に食べてはいけない物はありません。基本の3点を専門医と相談し、家族の協力も得て、しっかり守ってもらいます。水は通常制限はありませんが、浮腫のあるときは制限。前日の尿量に500ミリリットル足して飲みます。だから、尿量を測っておくのが大事です」。そして、浮腫がひどいときは1~2週間の入院治療となる。減塩は最も重要。

 ●薬物療法 活動性のある慢性腎炎に基本的治療として用いられるのは、炎症を抑える「ステロイド薬」と、いわゆる血液をサラサラにする「抗血小板薬」や「抗凝固薬」。「並行して血圧のコントロールが重要なので『アンジオテンシン2受容体拮抗薬』や『ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬』を使います。これからは腎臓を守る腎保護の基礎薬でもあります」。貧血改善に造血ホルモン、エリスロポエチンを使うことも多い。このほか、重症度の高い腎炎は状態に合わせて、4種類の薬を同時に使う「カクテル療法」、短期間にステロイド薬を大量投与する「パルス療法」、また、「血漿(けっしょう)交換」などが行われている。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆慢性腎炎の名医
 ▼金沢医科大学病院(石川県内灘町)腎臓内科・横山仁教授
 ▼岡山大学病院(岡山市)第3内科・槇野博史教授
 ▼川崎医科大学付属病院(岡山県倉敷市)腎臓・リウマチ内科・柏原直樹教授
 ▼福岡大学病院(福岡市城南区)腎臓内科・斉藤喬雄教授

February 18, 2007 09:48 AM

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