2007年02月17日
この病気にこの名医Part3
【第7回】5項目の精密検査お薦め
慢性腎炎(3)
ほっておくと、腎不全、透析療法へと進んでしまう慢性腎炎は、集団検診などの機会(チャンス)に「チャンスたんぱく尿」や「チャンス血尿」で発見されるケースが多い。
「集団健診で、たんぱく尿があると、健康な人でも生理的たんぱく尿が出ますので、区別するためにも精密検査が勧められます」と、東京都済生会中央病院(東京都港区)内科の栗山哲部長は話し、次の精密検査項目をあげた。「尿検査」「血液検査」「腎機能検査」「画像診断」「腎生検」である。
●尿検査 採取した尿で「たんぱく」「潜血」「ブドウ糖」「尿沈渣(ちんさ)」などを調べる。「尿沈渣は尿を遠心分離して得られた成分をいいます。それを顕微鏡で調べ、赤血球の変形、円柱の有無などで慢性腎炎でもどの疾患が疑われるか、予後は良いか悪いかの判断もできます」。円柱とは円柱形をした物質で、赤血球の入った赤血球円柱や、白血球の入った白血球円柱などがあると、予後は悪いと判断される。尿酸の結晶がある場合には痛風腎を疑うことになる。「1日の尿をためる蓄尿で1日のたんぱく尿の排せつ量を調べることもあります」。
●血液検査 総たんぱく、アルブミン、血中尿素窒素、クレアチニンなど、腎機能を知る項目を調べるとともに、他の疾患を除外するためのチェックも行われる。
●腎機能検査 クレアチニン・クリアランス検査を行う。1分間にどれだけの血液が腎臓でろ過されているかを調べる。「これは腎臓の障害度を知るには非常に大事な検査で、正常値は70~120ミリリットル/分です」。
●画像診断 超音波、エックス線、CT(コンピューター断層撮影)検査で形、大きさをチェック。機能も造影剤の流れ方である程度は分かる。「腎臓に多数ののう胞ができる多発性のう胞腎などは画像ですぐに分かります」。
●腎生検 背中から腎臓に針を刺して腎組織をとって顕微鏡で調べる。「1週間入院して行う検査です。患者さんへの負担が大きいので、それまでの検査結果を十分検討して実施が判断されます」。
【医療ジャーナリスト松井宏夫】
◆慢性腎炎の名医
▼昭和大学藤が丘病院(横浜市青葉区)腎臓内科・吉村吾志夫助教授
▼愛知医科大学病院(愛知県長久手町)腎臓・膠原病内科・今井裕一教授
▼和歌山県立医科大学付属病院(和歌山市)小児科・吉川徳茂教授
▼北野病院(大阪市北区)腎臓内科・武曽恵理部長
February 17, 2007 09:05 AM
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