2007年02月16日
この病気にこの名医Part3
【第6回】普段から尿のチェックは大事
慢性腎炎(2)
腎臓に慢性の炎症が起き、血液のろ過機能が障害を受け、進行すると「透析療法」に至ってしまう。これが慢性腎炎である。
慢性腎炎には原発性として「微小変化群」「巣状糸球体硬化症」「IgA腎症」「膜性腎症」「膜性増殖性糸球体腎炎」がある。他の疾患が原因で2次性に起きるのは、今日では圧倒的に「糖尿病性腎症」が多く、そのほかに「ループス腎炎」「腎硬化症」「痛風腎」「慢性間質性腎炎」など数多い。
「これら慢性腎炎は、静かにほとんど無症状で進行していきます。だから、集団検診でたんぱく尿や血尿が発見されることが多いのです。尿検査などの機会、いわゆるチャンスに発見されることから『チャンスたんぱく尿』『チャンス血尿』といわれています」と、東京都済生会中央病院(東京都港区)内科の栗山哲部長は話す。
チャンスたんぱく尿などで発見された人は、ラッキーと受け止め、しっかりと治療を受ける必要がある。が、中にはそのサインを無視してしまう無謀な人もいる。
「5年、10年と無症状なので、どうということはないと思われるのでしょう。ところが、腎機能は加齢とともに低下します。より詳しく話しますと、腎機能は30歳でピークを迎え、その時点を100とします。すると、年齢を1歳重ねるにしたがって腎機能は1ずつ低下していきます」。
つまり、60歳の人の場合、健康であっても腎機能は70に低下している。そこに慢性腎炎を患うと、無症状であっても腎機能の低下は早くなってしまう。
「30を切ると、高血圧、浮腫、たんぱく尿や貧血が強く出てくるようになります。そして、5から10以下になると透析療法を必要とするようになります」。
それだけに、集団健診以外に、普段から尿のチェックは大事。尿の量が多くなっている。逆に少ない。尿の色が違う。尿の泡が消えない、睡眠時に3回以上トイレに起きる。このような症状があったら、専門医を受診しよう。
◆透析療法 透析療法は腎臓の代わりに血液をろ過したりする。いわゆる人工腎臓。血液透析と腹膜透析の2つがあり、日本では血液透析を受けている人が約96%、残り3・6%が腹膜透析を受けている。腎移植は透析療法より優れた代替治療だが、日本では移植数は極めて少なく年間1000例に満たない数である。
【医療ジャーナリスト松井宏夫】
◆慢性腎炎の名医
▼東京女子医科大学腎臓病センター(東京都新宿区)腎臓小児科・服部元史教授
▼東京慈恵会医科大学付属第三病院(東京都狛江市)腎臓・高血圧内科・川村哲也助教授
▼東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)腎・内分泌・代謝内科・遠藤正之助教授
▼聖マリアンナ医科大学病院(川崎市宮前区)腎臓・高血圧内科・木村健二郎教授
February 16, 2007 11:23 AM
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