健康連載ブログ

2007年02月15日

この病気にこの名医Part3

【第5回】年1万人ずつ透析患者増加

慢性腎炎(1)

 「肝腎要」といわれることでも分かるように、腎臓は重要な臓器。その腎臓に炎症が起き、それを知らずに放置しておくと、腎臓の機能は無症状で進行してしまう。

 「気付いたときには腎臓の機能が低下、それも若い健康な人の腎機能を100とすると、10を切って透析療法が必要な状態になっているケースさえあるのです」と、腎臓の無症状を強調するのは、東京都済生会中央病院(東京都港区)内科の栗山哲部長。

 透析療法を受けている患者は06年時点で約26万人で、毎年約1万人ずつ透析患者が増えている。「静かに進行する腎炎ばかりではなく、へんとう炎後に急性に血尿、たんぱく尿、浮腫、微熱、全身のだるさといった症状を引き起こすケースもあります。臨床診断名としては大きく4つにわけられます」。

 その4つとは<1>急性腎炎症候群<2>慢性腎炎症候群<3>急速進行性腎炎症候群<4>ネフローゼ症候群。

 この中の慢性腎炎は「チャンス・タンパク尿」で発見されるケースがほとんど。「学校や職場などの健診の際、尿検査でたんぱく尿を指摘されて発見に結び付くことが多いですね。たんぱく尿だけではなく、血尿もそうです」。

 慢性腎炎の原因はまだ十分には分かっていないものの、腎臓に慢性的に炎症が起こることで、腎機能を障害し、尿中にたんぱくや赤血球が出てくる。

 「腎臓の働きとして血液のろ過がありますが、炎症で障害されるのです。もちろん、たんぱく尿があるからすぐに問題があるとはいえません。発熱を起こしたときなどには生理的たんぱく尿といって、たんぱくが尿に漏れ出しますが、これは問題ありません」。

 ◆腎臓 腎臓は腰より少し上の背中側に左右対称に2個ある。握り拳より多少大きく、そら豆のような形をしている。働きは4つ。<1>血液をろ過して尿を作り、老廃物などを排出する<2>体内の水分の量をコントロールするとともに、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質をコントロールする<3>血圧や骨の代謝をコントロールするホルモン、エリスロポエチンやビタミンDの産生にかかわる<4>体のpH(弱アルカリ)や浸透圧を調節する。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆慢性腎炎の名医
 ▼筑波大学付属病院(茨城県つくば市)腎泌尿器内科・山縣邦弘教授
 ▼埼玉医科大学総合医療センター(埼玉県川越市)第4内科・御手洗哲也教授
 ▼東京慈恵会医科大学付属病院(東京都港区)腎臓・高血圧内科・宇都宮保典講師
 ▼順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)腎・高血圧内科・富野康日己教授

February 15, 2007 09:51 AM

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