健康連載ブログ

2007年02月12日

この病気にこの名医Part3

【第2回】回復しない血尿、たんぱく尿は疑うべき

IgA腎症(2)

 腎臓の糸球体に炎症が起きる慢性糸球体腎炎は、進行すると腎不全、そして人工透析を余儀なくされる。その中で、日本人に最も多いのがIgA腎症である。

 大部分の患者は、強い症状があって発見されるのではない。

 「発見されたときの症状は、大多数が無症状で、検診や他の病気で尿検査をした偶然の機会に、たんぱく尿・血尿が発見されます。この場合の血尿は、いわゆる目に見えない程度の顕微鏡的血尿です。ただ、ときに急性腎炎のような症状を呈するケースもあります」と、IgA腎症の症状を話すのは、順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京都文京区)腎・高血圧内科の富野康日己教授。

 急性腎炎のような症状とは、血尿、むくみ、高血圧、たんぱく尿、微熱やのどの不快感、のどの痛み、全身のだるさなどである。

 このような症状を引き起こすIgA腎症のメカニズムは-。

 「まだまだ十分に病気のメカニズムは解明されていません。ただ、現時点で一般的なのは、体の中に入ってきた何らかの抗原と、それに対応する抗体が反応して抗原抗体反応が起こり免疫複合体ができます。この複合体が血液中を流れて腎臓の糸球体メサンギウム領域に沈着して発症するのです」。

 体の中に入ってくる抗原としては、ウイルス、細菌、食物など。これに対して体内で作られる抗体とは、免疫グロブリンというたんぱく質の1種で、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5つがある。もちろん、IgA腎症ではIgAが抗体として働き、糸球体のメサンギウムと呼ばれる領域に複合体が沈着することで、炎症が起きる。メサンギウム部分が増加することで、糸球体の毛細血管を圧迫し、腎機能が低下する。また、糸球体自体が硬化してくるといった変化もみられる。

 風邪などの上気道感染を繰り返したりして血尿やたんぱく尿が悪くなり、なかなか回復しないときなどは、IgA腎症を疑うべきである。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆糸球体 腎臓にある組織で毛細血管が糸玉のようになっていることから糸球体といわれる。糸球体は極めて小さな組織で片方の腎臓に約100万個あるといわれている。糸球体はフィルターの働きをし、血液をろ過して尿のもとである「原尿」をつくる。

 ◆IgA腎症の名医
 ▼東京女子医科大学腎臓病センター(東京都新宿区)腎臓内科・新田孝作主任教授、腎臓小児科・服部元史教授
 ▼東京慈恵会医科大学付属第三病院(東京都狛江市)腎臓・高血圧内科・川村哲也助教授
 ▼東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)腎・内分泌・代謝内科・遠藤正之助教授
 ▼聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県川崎市)腎臓・高血圧内科・木村健二郎教授

February 12, 2007 10:48 AM

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