健康連載ブログ

2007年02月11日

この病気にこの名医Part3

【第1回】“沈黙の臓器”で気付きにくい腎臓病

IgA腎症(1)

 “沈黙の臓器”といえば、肝臓の代名詞。ところが、腎臓もまた“沈黙の臓器”といわれている。“肝腎”な臓器は我慢強く、少しぐらいのことでは症状を出さないのである。

 それだけに、気付きにくいのが腎臓病で、中には気付いたときには腎不全というケースもある。

 気付きにくい腎臓病。とりわけ、慢性に腎臓に炎症を引き起こす糸球体腎炎は、腎臓の原発性疾患とあって、より注意していないために発見が遅れる傾向がある。

 「慢性糸球体腎炎は1つではありません。大きく5つに分類されており、その中で日本人に多いのがIgA腎症です」。

 IgA腎症のトップリーダー、順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)腎・高血圧内科の富野康日己教授は言う。そして続ける。「慢性糸球体腎炎のうち、成人では30%以上、小児でも20%以上をIgA腎症が占めています」。

 日本と同様にIgA腎症の多い国としては、アジア太平洋地域の諸国とフランスなど南欧の諸国。少ないのは北欧や北米。なぜこのような地域差が出るのか-。

 「それはまだよく分かっていません。腎生検を行う頻度と比例するとも一部ではいわれていますが、それもよく分かりません。このほか人種的要因・遺伝因子の存在もいわれています」。

 患者を年齢的に分類すると、15~24歳と40~49歳にピークがあるものの、すべての年齢にわたっている。

 不明な点の多いIgA腎症ではあるが、最初の報告は68年、フランスの病理学者ベルジェ博士によって行われた。そのため「ベルジェ病」とも呼ばれている。

 「慢性とも急性ともいわれない“くすぶり型”なので、当初は予後が良いといわれていました。透析に至ることはないだろうと。ところが、最近、フランスや日本の患者さんの状態を集計したところ、20年すると60%の人々は横バイ状態なものの、40%は透析に移行するのです。進行する病気の顔も持っていることが分かりました」。

 安易には考えられない病気なのである。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆慢性糸球体腎炎の5タイプ 1次性(原発性)慢性糸球体腎炎は、ほかの病気が原因で起きるのではなく、糸球体が原発の疾患で、5タイプある。<1>微小変化群<2>巣状糸球体硬化症<3>IgA腎症(メサンギウム増殖性糸球体腎炎)<4>膜性腎症<5>膜性増殖性糸球体腎炎である。

 ◆IgA腎症の名医
 ▼仙台社会保険病院(仙台市青葉区)腎センター・堀田修センター長
 ▼新潟大学医歯学総合病院(新潟市)第2内科・成田一衛助教授
 ▼埼玉医科大学総合医療センター(埼玉県川越市)第4内科・御手洗哲也教授
 ▼順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)腎・高血圧内科・富野康日己教授、堀越哲助教授

February 11, 2007 09:57 AM

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