健康連載ブログ

2007年02月09日

こちら消化器科です

【第63回】食物繊維だけでは予防効果なし

大腸ポリープ(4)

 大腸ポリープ(腺腫=せんしゅ)を持つ人は、かなり多いようだ。大阪中央病院消化器科部長の石川秀樹先生によると「人間ドックでポリープが見つかる率は、40歳以下だと男性は約15%ですが、40代は19%、50代になると22%を超えるという報告がある」という。50代の男性は4人に1人近くがポリープを持つ計算になるのだ。

 そして、複数のポリープを持つ人はそうでない人に比べて大腸がんになる危険が高く、摘除しても他の部位にポリープが再発しやすい。こうしたポリープの再発やがん化をいかに防ぐかが、石川先生の研究テーマだ。そのキーワードが食事と運動。これまでにも、食物繊維の豊富な食事は大腸がん予防に効果的、緑黄色野菜がいい、肉の脂肪が悪い、などさまざまな説が唱えられてきた。

 しかし、石川先生によると「これまで科学的に認められているのは、野菜と運動が大腸がんの発生を抑制し、アルコールと赤身肉が促進することぐらい」なのだそうだ。実際に、石川先生が複数のポリープを内視鏡で摘除した患者に協力してもらって行った試験結果をみると、意外な答えも多い。

 まず食物繊維。その効果をみるために、小麦フスマの食物繊維入りのビスケットを患者に毎日食べてもらった。そして4年。できるポリープの数に大きな差はなかったが、ビスケットを食べていた人の方が、大きなポリープが多いことが分かったのである。ポリープは大きくなれば、それだけがんになる危険が高くなる。つまり、食物繊維だけをサプリメントの形で取っても、大腸がん予防にはならず、かえって、大きなポリープをつくるという結果だったのである。

 では、野菜ならばどうなのか。「野菜には食物繊維だけではなく、さまざまな栄養が含まれているので、十分に取るべきです。ただ、たくさん食べるほど、がんになりにくいというわけではないのです。不足するとがんになりやすくなるのです」と石川先生。栄養素を単独で取り出して摂取してもあまりいい結果にはならないし、食べれば食べるほどいいというものもなさそうなのだ。

 【医療ジャーナリスト祢津加奈子】

 ◆ポリープの大きさ 小麦フスマ入りのビスケットを食べていた人は、3ミリ以上の大きいポリープが1・3倍多く、1センチを超える危険なポリープはビスケットを食べていた人だけに発生した。

February 9, 2007 11:48 AM

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