健康連載ブログ

2007年02月08日

こちら消化器科です

【第62回】5ミリ以上1センチ未満は早期がん2割

大腸ポリープ(3)

 大腸ポリープ(腺腫=せんしゅ)は、ある程度大きくなるとがん細胞を含む可能性が出てくる。大阪中央病院消化器科部長の石川秀樹先生によると、ポリープが直径1センチを超えると、がん細胞が混じっている可能性が高いので摘除する。5ミリ未満のポリープはがんになる可能性が低いので、放置して定期的に検査をするというのが原則だそうだ。「ただし、平たんな形でへこみがあるとか、形がいびつなど特殊なポリープは5ミリ未満でも見つけ次第取るのが原則です」と石川先生。

 では、5ミリ以上1センチ未満のポリープはどうか。石川先生によると、この大きさになると1割弱にがんが見つかるそうだ。さらに、細胞の「異型度」が問題になる。異型度というのは、細胞の顔つきが正常細胞とどれぐらい違っているかを示すものだ。軽度、中等度、高度と異型度が高くなるほど、正常細胞から離れ、がん細胞に近くなる。高度異型成はがんではないが、極めてがんに近い状態といえる。「治療も早期大腸がんと同じ扱いになる」のだそうだ。

 そこで、5ミリ以上1センチ未満のポリープを調べると、約1割に高度異型成が見つかる。つまり、がんと高度異型成を含めると、約2割は早期がんとして扱う必要がある。そこで、日本では5ミリを超えるポリープは取ることが多いそうだ。といっても、この段階はがんであっても早期。基本的には、お尻から大腸に入れた内視鏡で取ることができる。石川先生によると、「たいてい内視鏡検査を行う時に一緒にポリープも摘除する」そうだ。それで治療も終了することが多い。万が一、予想以上にがんが進行していれば、あらためて開腹手術を行って腸を切除することになる。

 では、危険なポリープを取れば、本当にがんになる率は低下するのだろうか。石川先生によると、確かにポリープが見つかって取った人は、取らなかった人より、大腸がんになるリスクは低下するそうだ。「米国では、同じようにポリープがあっても摘除した人は摘除しない人に比べて大腸がんのリスクが76~90%も低下するというデータもあります」と石川先生。しかし、それでもポリープがない人に比べるとリスクは高い。これをどうするかが石川先生の課題だ。

 【医療ジャーナリスト祢津加奈子】

 ◆内視鏡手術 ポリープをつまんだり、ワイヤに引っ掛けて高周波で焼き切る方法などがあるが、現在の主流は内視鏡下粘膜切除術。切除する粘膜の下に生理的食塩水を注入して膨らませ、その部分に高周波のワイヤをかけて切除する。

February 8, 2007 12:01 PM

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