健康連載ブログ

2007年02月19日

この病気にこの名医Part3

【番外編】83%が女性、ピークは50代

線維筋痛症

 2月2日早朝、日本テレビの大杉君枝アナウンサーが都内の自宅マンションから転落死した。「線維筋痛症」に悩んでいたとされる。線維筋痛症とは、どのような病気なのか。

 04年、全国の一般住民調査での推定患者数は約200万人。この中で実際に医師の治療を受けている患者は多くて20万人程度と思われる。83%が女性で年齢的には10代から80代と幅広いものの、ピークは50代。

 全身のあちこちの筋肉や関節に痛みが生じ、それが長い期間続く。痛みの度合いは患者によって異なるが、重症では「全身を針で刺される痛み」とも「ガラスが体の中をめぐる痛み」などといった表現でも分かるように激痛。ただ、強い痛みが四六時中続くのではなく、日によって、時間によって変化する。

 痛みの度合いによっては家事もままならなくなるし、仕事もできない。

 環境や状況の変化、心理的ストレスが病態に影響を与えるという心身症(ストレスが原因で身体疾患を起こす病気の総称)の側面を持っているため、痛み以外にさまざまな合併症状が起こる。「睡眠障害」「頭痛」「下痢」「月経異常」「更年期障害様症状(抑うつ、いら立ち、焦燥感、疲労感、気力減退など)」-。

 最近は原因不明とはいえ、多少痛みが生じる背景が分かってきた。出産、外傷、手術など身体的負担や社会生活的ストレスが原因となって発症することが多いという。

 米国では90年にすでに診断基準ができている。「全身に原因不明の痛みが3カ月以上続き、全身18カ所の圧迫ポイントのうち11カ所以上押すと痛い場合、線維筋痛症と診断する」。

 線維筋痛症と診断されると、治療は「薬物療法」と「生活指導」。痛み止めは効果がないので処方されるのは「抗うつ薬」「抗けいれん薬」、そして、自律神経のバランスを改善する「漢方薬」。一方、生活指導としては、「心理療法」では認知行動療法、呼吸法やマッサージなどの「リラクセーション」。さらに「運動療法」なども加え、医師と二人三脚の歩みとなる。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆認知行動療法 ストレスに対しての対応に悪い習慣が身に付いているとき、それを修正し、よりよい思考・行動パターンを身に付ける治療方法。

February 19, 2007 09:23 AM

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