健康連載ブログ

2007年02月13日

この病気にこの名医Part3

【第3回】ほっておくと20年後に60%人工透析

IgA腎症(3)

 腎臓糸球体を原発として起こる腎臓病(腎炎)の中で、日本人に最も代表的なのがIgA腎症。

 「免疫グロブリンというタンパク質の一種、IgAが腎臓の糸球体に沈着して炎症を起こします」と、IgA腎症の治療・研究で定評のある順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)腎・高血圧内科の富野康日己教授は話す。

 80年代ごろまでは予後が良いといわれていたが、今日ではほっておくと20年後には60%の人が人工透析に移行することが分かってきた。だから、定期的な健康診断で発見された軽度の「タンパク尿」や「血尿(顕微鏡的)」はそのままほっておかず、しっかり精密検査を受けることが大切である。

 検査は、まず「尿検査」「血液検査」「腎機能検査」「画像診断」が行われる。

 ●尿検査 尿定性試験と尿沈渣(さ)を行う。尿定性試験は試験紙を尿に決められた時間つけておいて調べるもので、血尿、尿タンパクなどが分かる。尿沈渣は尿を遠心分離して沈でん成分を顕微鏡で調べる。

 ●血液検査 血液中の「尿素窒素」や「クレアチニン」「シスタチンC」「IgA」などの量を調べる。

 ●腎機能検査 血液中のクレアチニンと尿中のクレアチニンの量を比べて腎臓のろ過機能を調べる。

 ●画像診断 超音波、エックス線検査、CT(コンピューター断層撮影)検査などの画像検査で、腎臓に石や腫瘍(しゅよう)がないか、また、形や大きさの異常などを調べる。

 「血清IgA値が351ミリグラム/デシリットル以上、血尿、タンパク尿、血清IgAと補体C3の比が3・01以上のうち3つ以上の項目を満たしているとIgA腎症の疑いは強い。ただ確定するには『腎生検』が必要です」。

 ●腎生検 体外から腎臓に針を刺して組織を直接とり出す。その組織を3つに分け、光学顕微鏡による観察、蛍光抗体法や酵素抗体法による観察、電子顕微鏡による観察を行う。「糸球体のメサンギウム領域にIgAが沈着していると診断がつきます」。

 さらに、腎生検を行った時点で、予後が良好か否かも推察される。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆IgA腎症の名医
 ▼金沢医療センター(石川県金沢市)腎高血圧膠原病内科・吉村光弘医長
 ▼藤田保健衛生大学病院(愛知県豊明市)腎内科・比企能之助教授
 ▼愛知医科大学病院(愛知県長久手町)腎臓・膠原病内科・今井裕一教授
 ▼名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)腎臓内科・松尾清一教授

February 13, 2007 09:41 AM

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