健康連載ブログ

2006年12月04日

予防歯科最新情報

【第56回】「感染管理」しっかりチェック

 あなたの通っている歯科医院では、口に入れる器具類は、パックに入れて滅菌されたものを使用しているだろうか? 予防に力を入れている歯科医院には共通する3つのポイントがある。第1は歯を削ることに非常に慎重なこと。第2は歯科衛生士が治療の現場で主体的に技術や情報を発信していること。そして第3は感染症対策をしていることだ。

 感染症対策をきちんと考えている歯科医院では、可能な限り滅菌するシステムを持っている。ミラーや先のとがった棒状の器具やバキュームの先端など、患者の口に入る道具一式は滅菌済みのパックで、診察前に治療用の台の上に並び、患者の顔を見てから、パックを開封する。歯を削る機械の先端部分なども滅菌を行っている。

 医師や歯科衛生士も使い捨ての手袋を使用し、患者ごとに、惜しみなく付け替え、捨てていく。紙コップや紙エプロンを使用し、医師や歯科衛生士が手を洗った後にふくのも使い捨ての紙ナプキンにしている。

 歯科の治療は、唾液(だえき)が付くし、出血することもあるので、外科治療と同じ慎重な感染管理が必要だ。だが、歯科医院が治療器具類の滅菌に案外無頓着であるという事実はあまり知られていない。肝炎やHIVなど感染症のキャリアの患者が、本人が感染の事実を認識せずに通院している場合もある。

 「虫歯や歯周病が感染症である以上、感染を制御し、予防するという内科的な管理が中心になるのは当然です。治療を行う場合には、感染症対策という視点を持つことが重要な課題です」と説明するのは、川崎市で予防中心の医院を経営する小池匠医師だ。感染防止の滅菌にはコストがかかるし、医療スタッフの意識も変えなければならない。

 院内感染のリスクを避けるためにも、基本的な設備と衛生観念が備わった歯科医院を選びたいものだ。その簡単な目安となるのは、器具の滅菌状況と医師や歯科衛生士が手袋を患者ごとに付け替えていることなどだ。少し気を付けて見れば素人にも分かることなので確認してから通院を決めた方がいい。感染症防止に意識が高い医療機関は、感染症としての虫歯の予防にも力を入れている熱心な医院である確率が高い。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆院内感染 医療機関内で患者に感染症が広まること。院内感染防止の基本は医療者の手洗いといわれている。

December 4, 2006 08:42 AM

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