健康連載ブログ

2006年11月30日

予防歯科最新情報

【第52回】矯正でかみ合わせ治療

【第52回】矯正でかみ合わせ治療

 インテリアデザイナーのK子さんは最近、口を開けると両耳の前の辺りでコキッと音がする。仕事柄、コンピューターの前に座って図面を引いている時間も長く、集中して仕事をしていると、つい奥歯を強くかみしめてしまうようで、あごが疲れているのが自分でも分かるし、肩凝りや腰痛もひどい。

 K子さんは八重歯が両側にあるが、歯は丈夫な方だ。これまで特に歯について強く意識したことはなかったが、矯正歯科治療を経験している同僚から「かみ合わせが悪いと、顎(がく)関節症になりやすい。かみ合わせは矯正の先生に見てもらった方がいい」と矯正歯科専門医を紹介された。

 歯並びと言うと、前歯のことばかり考えがちだが、奥歯の歯並びや上下の歯のかみ合わせ、かむときの力や癖などが実はとても重要だ。検査の結果、K子さんは奥歯の並び方にもデコボコがあり、左側でばかりかんでいて、これがあごの関節や筋肉に大きな負担をかけている可能性があり、あごの音や肩凝りとも関係があるだろうと診断された。全体のかみ合わせを調整することになることから、2年程度の治療期間が必要になるとも説明された。K子さんは、矯正についてはすぐに決断することはできなかったが、歯磨き指導やプロフェッショナルクリーニングなどを受けながら、あごの経過を診てもらうため通院することにした。

 矯正歯科の専門医は、かみ合わせを整えることが専門なので、矯正を今すぐ行う目的でなくても、歯並びやかみ合わせの相談に利用してよい。「矯正歯科治療は究極の予防です」と話すのは、日本臨床矯正歯科医会会長のいけもり矯正歯科(名古屋市千種区)池森由幸医師だ。「矯正歯科治療は治療期間が1~3年と長期になることが多いので、医師との信頼関係が大切です。初診で相談をじっくり行い、納得がいかなければ何軒か相談してみましょう」とアドバイスする。

 日本臨床矯正歯科医会は、460人が参加する矯正歯科専門医の団体。会員は日本矯正歯科学会認定医が大半で、育成厚生医療機関、顎口腔(こうくう)機能診断施設といった専門医療機関に指定されている医院も多い。かみ合わせに大きな問題のある不正咬合(こうごう)は障害と認定され、費用が補助されるケースもある。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆日本矯正歯科学会認定医 日本矯正歯科学会が指定する研修機関で5年以上にわたる矯正歯科臨床経験を持ち、認定医審査に合格した医師。5年ごとに更新が必要。現在、全国に2077人。

November 30, 2006 07:55 AM

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