健康連載ブログ

2006年11月25日

予防歯科最新情報

【第47回】「日用品」入れ歯はメンテナンス要

 「ああ、ぴったり。これで何でもかめます」。Kさん(92)は、わたなべ歯科(埼玉県春日部市)の診察台に座って、入れ歯の入った口元をほころばせた。

 高齢になると、入れ歯を利用する人が多いが、口の中はデリケートなので、その人に合う入れ歯をつくるのはなかなか難しい。口の中の状態も変化するため、入れ歯は定期調整が必要な“生活必需品”だ。

 デイケアの生活相談員のA子さんが「Kさんが食事をうまくかめない様子を心配して」付き添ってここを訪れた。A子さん自身もここの患者で、通院するうちにメンテナンスの大切さに気付いた1人だ。

 「合わない入れ歯で、つらい思いをしているお年寄りは多い。食生活にも大きく影響します」とA子さん。「型の合わない入れ歯を大量の入れ歯安定剤で無理に止めている高齢者もいらっしゃいます」と歯科衛生士の吉田早織さんも問題を指摘する。

 1カ月ほど前、渡辺勝医師はボランティアとしてKさんの通うデイケア施設を訪問し、歯科検診を行っている。「Kさんの入れ歯は保険の義歯ですが、歯茎の部分が口の形に合わないため、動いてしまい、ずっと痛かったはずです」。

 渡辺医師は早速外した入れ歯の歯茎の部分を削ったり、足りない部分を速乾性のプラスチック剤で補ったりの細工を手早く行い、Kさんの口に入れたり外したりしながら、ぴったりに仕上げていった。

 「1本残っている歯ですが、根まで虫歯になっています。入れ歯を安定させるには抜いた方がいいと思いますが、どうですか」と渡辺先生は耳の遠いKさんに大声で質問する。「はい。もうどちらでも先生にお任せします」とKさん。返事を受けて抜歯も手早く行われた。

 「今日は歯を抜いて入れ歯もかなり直しましたので、もし痛くなったら、絶対に我慢しないで来てくださいね。痛くなくても使いにくい感じがしたら遠慮なく言ってください」と渡辺医師。約1時間の診察と抜歯、入れ歯の調整でKさんが払った費用は2190円だ。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆入れ歯 近くの歯で支える固定式のブリッジのほか、歯根膜負担義歯、あごの粘膜で支える粘膜負担義歯などがある。

November 25, 2006 08:38 AM

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