健康連載ブログ

2006年11月21日

予防歯科最新情報

【第43回】乳歯集め楽しむ子供たち

 「先生、ここ抜けた~ほらあ」。小学3年生のT君がうれしそうに小さな乳歯を差し出した。消毒してもらった抜けた歯を子どもたちは診察室にある子ども専用ロッカーの棚にある自分専用の箱にしまいにいく。カラカラと音のする箱には子どもたちの乳歯が大切に保管されている。

 笠島歯科室(東京都豊島区)は、歯科室という名称通り、温かみのあるアットホームな空間だが、同時に予防に力を入れ、質の高い医療を提供している。笠島生也医師は1人1人に歯の状態や治療方針などを丁寧に説明する。対話のキーワードは「長く」だ。目先のことではなく歯を長期にわたって大切にする手伝いをしたいと繰り返し患者に語りかける姿が印象的だ。

 「子どもたちに歯医者さんを好きになってもらい、楽しく通って予防をしてほしい」。ここでは、多くの子どもたちが虫歯のない状態を維持しながら、定期的な通院を続けている。毎回定期検診に来る子どもたちはインスタント写真を撮ってもらい、名前と日にちを書いて壁に張って帰る。ほとんどの子にとって、痛い治療をされる場所ではなく、検診と歯のクリーニングをしてもらい、抜けた歯を自慢しにくる楽しくて心地よい場所なのだ。

 来室した幼い子どもは、乳歯が生えそろった段階で、口の石こう模型をとってもらう。その模型は1本ずつ抜けていく乳歯とともに診察室の専用ロッカーに大切に保管される。最後の1本が抜けた時に、この模型からピンクのプラスチックの歯茎を再現し、そこに抜けた小さな乳歯を1本ずつ元通りに並べていくと、子どもの口の模型が出来上がる。この作業は歯科衛生士の手仕事だ。

 初診で来室したときに「乳歯がすべて永久歯に替わったらこんな模型をプレゼントしているんですよ」と見せる。「真っ白くて小さな歯の並んだ模型を見た保護者の方は、自分の子どもの乳歯も虫歯にさせないために定期検診に通おうと思うでしょう。子どもは乳歯を集めることを楽しみます」。親にとっても、幼い子どもたちと過ごした日々や小さな歯を見せた笑顔を思い出させる大切な宝物になる。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆乳歯 生後9カ月ごろから生え始め、2~5歳で上下20本の歯列が完成するが、虫歯になりやすい。乳歯の時期から定期管理をすることで永久歯を守ることができる。

November 21, 2006 01:18 PM

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