健康連載ブログ

2006年11月19日

予防歯科最新情報

【第42回】出産1カ月前に唾液検査を

 出産を控えた妊婦さんたちが、テーブルを囲んで、妊娠中の健康管理や出産後の子育てを学んでいる。埼玉県秩父市にある関口産婦人科が定期的に行う母親教室だ。

 同じ町内で開業する今井歯科クリニックの今井美行医師は、月1回のこの母親教室にボランティアで参加し、これから母親になる女性たちに歯科予防について講義を行う。さらにここで、虫歯になりやすさのリスクを調べる「唾液(だえき)検査」も行っている。

 「この検査スティックをなめて、紙に唾液をつけてくださいね」。歯科衛生士の女性が唾液検査用の紙を1人1人に手渡し、回収していく。妊娠中は、つわりなどのために食事が不規則になりがちで、またホルモンの影響で歯茎が出血しやすくなったり、歯周病菌が増殖しやすくなったりする。

 「赤ちゃんの虫歯予防は出産1カ月前からスタートできます」が、今井医師の妊婦さんたちへのメッセージだ。「虫歯は感染症です。人間の口の中にはいろいろな雑菌がいて、その中に虫歯や歯周病を引き起こす菌もいるのです。口の中の菌が離乳食の口移しなど育児の過程で、お母さんから赤ちゃんに感染してしまうと、赤ちゃんが虫歯になるリスクも高くなります。そのリスクを下げるためには、出産前からお母さんのお口の状態を整えておくことが大事です」。

 唾液検査で、リスクが高いと判断された場合には、歯科衛生士のいる歯科医院に相談すること、食後に虫歯予防効果の高いキシリトール入りのガムをかむ習慣を付けることなどを勧めている。

 「検査の結果、菌が多く、バイオフィルムと呼ばれる雑菌の膜が口の中を覆ってしまっているようなときには、痛い歯はなくとも、歯医者さんに相談しましょう。できればプロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング(PMTC)と呼ばれる歯の掃除を行ってくれる歯医者さんを選びましょう」と今井医師。妊婦への情報提供が乳幼児の虫歯予防の第1のチャンスであると強調している。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆唾液検査 虫歯の原因となるミュータンス菌やラクトバチラス菌の量、唾液の分泌量や質などを調べ、虫歯になりやすさのリスクを診断できる。

November 19, 2006 01:17 PM

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