健康連載ブログ

2006年11月15日

予防歯科最新情報

【第38回】無痛のうちから虫歯に先手

 商店街の中にある笠島歯科室(東京都豊島区)は、町のかかりつけ医としていつも地域の患者さんでいっぱいだ。予約制で、時間を十分取り、患者1人1人を丁寧に診察するが、入れ歯の調子が悪くなったおばあちゃんがふらっと訪ねてきた時もスタッフは当たり前のように笑顔で受け入れる。

 この日は、近くにある大手企業の営業マンT氏(40)が急な歯の痛みで飛び込んできた。「週末から歯が痛くて、鎮痛剤も最初は効いたのですが、頭痛もしてもう限界です」とつらそうに訴える。

 診察をした笠島生也医師は「歯を舌で触っていただくと分かると思うのですが、穴があいていて、それが深くなっているので神経の部分に細菌が入り込み、ちょうど鼻の付け根あたりで炎症を起こしているので、こんなに腫れちゃったのですね。神経の入っている部分をきれいに洗って様子をみましょう。薬を出しますので、きちんと服用してください。効き目が出るまでに4日ぐらいかかりますが、週末には必ず落ち着きます」。

 笠島医師の説明はいつも、必ず期限の目安が加えられているため、患者は、自分の状態を落ち着いて判断することができる。

 「歯の痛みはきちんと処置すれば、間違いなく次第に落ち着きます。しかし、口の中の状態があまり良くないと、また治療した別の歯の虫歯が再発する危険性がある状態です。仕事でお忙しいことと思いますが、将来のためにも、今、口の中全体を見直すことをお勧めします。虫歯の予防にはクリーニングなども有効です」。

 救急処置とその説明を終えてから、笠島医師はTさんに今痛む虫歯の問題に対処するだけでなく、口の中全体の環境を整えた方がいいことを伝えた。提案を聞いたTさんは、ほっとしたような笑顔を見せた。「さっきまでは、この痛みさえなくなればいいと考えていたんですが、丁寧な説明を聞くうちに、痛くない時でもここに通って診ていただいてもいいのだと知り、安心しました。歯科にも予防って考え方があるんですね」。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆かかりつけ歯科医 患者の歯と口の健康を生涯にわたって身近でサポートしてくれる地域に密着した歯科医院。

November 15, 2006 10:38 AM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/7659