健康連載ブログ

2006年11月05日

予防歯科最新情報

【第28回】健康のための矯正治療増加

 「夫の定年前、高額医療控除が受けられる時期に、子どものころから気になっていた歯並びを治したいのです」と話すのは55歳の主婦のA子さん。「今、小学生の息子と一緒に矯正しています。家族4人で歯を見せた笑顔の写真を撮りたい」と29歳の主婦T子さん。「きれいな歯並びで笑いたい」という希望を持って矯正歯科の門をたたく大人の女性が増えている。

 三田矯正歯科(横浜市泉区)の三田浩明医師は、矯正歯科の専門医だ。ここでは虫歯の治療などは一切行わない。白で統一された診察室は、美容室のようにおしゃれで、予約の主婦の患者が次々と訪れる。歯を削る音もしないし、治療用の台の上にあるのは金属やセラミック製の装置と針金と針金を曲げるためのプライヤーという器具だ。

 「胃がんの手術をしたことをきっかけに、かむことの大切さを知りました」と受診の動機を話すのは、セールスの仕事をしているT子さん(55)だ。T子さんは7、8年前に虫歯になった奥歯を抜いた後、歯を入れずに放置していた。前から歯並びがいい方ではなかったが、3年ほど前に歯が動き始め、信じられないほど急に歯並びがガタガタになってしまった。歯科医院に受診すると、歯周病との診断だった。歯を定期的に歯科医院でクリーニングしてもらい、丁寧な歯磨きを続けることで、歯周病の進行は止まったのだが、その直後に早期の胃がんであることが発覚、胃の部分手術となった。

 「胃のためによくかまなくてはいけませんと指導されたのですが、歯並びとかみ合わせが悪く、かみたくてもかめない状態なのです」。悩んだ末に矯正を決断して検査を行い、歯周病も治療済みとの診断で、この日、歯に装置をつけた。

 「見た目の美しさもありますが、体の健康という視点で矯正歯科治療を考える患者さんが増えています」と三田医師。矯正歯科治療は基本的に何歳からでも可能だが、歯周病などがなく、歯茎の状態がいいことが望ましい。歯茎や歯を支えている骨の状態が悪すぎるときには、歯を動かすこと自体にリスクがあり、難しい場合もある。また、ブリッジや義歯などを入れている場合には、矯正歯科治療の難易度は高くなり、一般の歯科医と矯正歯科医の親密な連携が必要となってくる。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆矯正歯科治療にかかる費用 上下で60万~80万円程度。期間は1年半から2年かかる。分割払いに対応する歯科医院が多い。

November 5, 2006 09:43 AM

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