健康連載ブログ

2006年10月28日

予防歯科最新情報

【第20回】唾液検査で虫歯リスク分析

 「はい。今日は先週していただいたサリバ検査(唾液=だえき=検査)の結果が出ましたので、このお話から始めましょう」。こいけ歯科医院(川崎市)の診察室。診察台には中学2年生のR君。隣にはお母さんも座っている。

 歯科衛生士の田中法子さんが、見せたのは、ふたのついた2本の試験管と検査結果の用紙だ。唾液検査とは、歯垢(しこう)や唾液を採取して培養することによって、その人の口の中の虫歯の原因となる細菌の種類や量を測定するものだ。口の中が虫歯になりやすい環境かどうか、そのリスクを分析できる。

 R君の2本の試験管には、培養液の中に細菌が繁殖したカビのような点が無数に浮いており、検査結果は、虫歯になりやすさの確率60%で、かなりハイリスクと出た。「R君は、体質的に唾液の量が少ないですね。また、お口の中に虫歯を進行させる菌が多い様子ですね」と田中さん。

 お母さん同席のカウンセリングの中で、テニス部の部活の後に清涼飲料水を飲んだり、塾帰りにコンビニでお菓子を買い食いしていることも分かった。

 R君のように、唾液の少ない体質、虫歯になりやすい細菌、それに砂糖を含む食品の3つがそろうと、今後、虫歯になるリスクは非常に高まる。「やっぱり歯は白くてきれいなほうがカッコいいよね。このままにしておくと、悲しい結果になっちゃいそうなのね。外に出たとき、甘いものを口に入れちゃう習慣、少しやめてみようよ」と田中さんは提案し、まず3カ月の目標を2つ設定した。昼食後や歯の磨けない場所で、物を食べた後にはキシリトールのタブレットをかむことと、おやつを不定期にだらだら食べないことだ。

 検査結果の説明の後は、PMTC(機械的歯面清掃)だ。歯垢染色ジェルを塗り、歯についた歯垢を赤く染め出すと、R君の歯には磨き残しがたくさんあることが一目で分かる。約30分かけて清掃を行い、フッ素を塗ってこの日は終了だ。「来月またPMTCしましょう。普段の生活をちょっと変えてみようね。まず3カ月、一緒に頑張り、半年後にもう一度、唾液検査をしてお口の環境の変化を見ましょう」と田中さん。目標がR君だけの課題ではなく、一緒に共有するものであることを確認した。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆サリバ検査 唾液の質や量を測定することで、口の中の虫歯になりやすさのリスクを検査する。保険外なので費用は医院によって異なるが、4000~8000円。

October 28, 2006 09:02 AM

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