健康連載ブログ

2006年10月27日

予防歯科最新情報

【第19回】ホームケアの意識引き出す

 「T子さん、よく磨けていますね。歯茎も引き締まって、もうばっちり健康ですよ。この調子」。

 「そうですかあ」。

 「ここ1年で虫歯の進行ほとんど止まっています。すごいです」。

 「うれしいわ。でもね、最近、朝起きると口の中がカラカラに乾燥している感じなの。年かしらね?」。

 「そうですか。唾液(だえき)がたくさん出た方が虫歯予防にはいいですね。唾液には虫歯を抑制する力があります。耳の下に唾液の出る腺があるんですね、寝る前のお肌のマッサージと一緒にここをちょっと刺激してみてください」。

 わたなべ歯科(埼玉県春日部市)の診察室。30分以上も、母娘のような和やかな会話を続けるのは60歳の主婦T子さんと歯科衛生士の長山和枝さん。T子さんは昔から歯が弱く、過去に詰め物やかぶせものをした歯が、繰り返し虫歯になっていく状態だった。1年前にわたなべ歯科に初診で来て、数回、虫歯の処置をしてもらい、その後は長山さんが担当となった。

 歯のケアの方法を一緒に考えていくうちにT子さんは「口の環境を整えることで、体質だとあきらめていた虫歯が改善するのかも…」と考えるようになった。長山さんのアドバイスを受け、自宅で朝晩行う歯のケアに糸ようじや歯間ブラシも使い、次第に丁寧に行うようになり、食事もよくかむようになった。2カ月に1度、わたなべ歯科で長山さんに会っておしゃべりし、定期検診とPMTC(機械的歯面清掃)と呼ばれる歯のクリーニングを受ける時、「頑張っているのでいい状態です」と言われるのが、楽しみにもなった。

 予防歯科という考え方が少しずつ広まり「プロにクリーニングさえしてもらえばメンテナンスは大丈夫」という風潮もある。しかし、わたなべ歯科では基本は「患者さん自身が毎日の自宅での歯の手入れへ意識を高めること」と強調する。「私はプロの歯科衛生士として、歯についた細菌の塊を除去するPMTCの技術を大切にしています。でもそれはコミュニケーションの一部で、私たちの仕事は患者さんの生活を知り、その方にあった支援を提案していくことです」と長山さんは話す。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆ホームケア 歯科医院で行うプロフェッショナルケアとセットで、患者が自宅で行う歯磨きやフッ素洗口のなど日常的な歯のメンテナンス

October 27, 2006 11:11 AM

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