健康連載ブログ

2006年10月26日

予防歯科最新情報

【第18回】恐怖和らげるカウンセリング

 主婦のK子さんは46歳。中、高校生の母親だが、昔から虫歯に悩み、歯科医を転々とする「ドクターショッピング」を続けてきた。長年気になっていた歯の治療に通う決心をしたものの、歯科医は苦手で心を閉ざして耐える場所だと思っていた。そんなK子さんが出会ったのが、こいけ歯科医院(川崎市)の歯科衛生士によるカウンセリングだった。

 担当歯科衛生士の田中法子さんは、歯科臨床・心理カウンセラーの資格も持ち、経験20年以上のベテランだ。田中さんは、まず患者の生活を知るために「12時間思い出し法」という方法でコミュニケーションを取る。「昨日1日の生活とお食事のことをお聞きしていいですか?」。田中さんは専用の記録用紙を広げ、K子さんの脇に座る。

 「はい。朝は5時に起き、子どものお弁当を作ります。朝食は子どもと主人の3人がそれぞれ時間差で食べるので、一緒に付き合います。主人が出勤するのが8時なので、考えてみると3時間、ずっと朝食を食べっぱなしです。お昼は…」。K子さんは朝も夜も家族に合わせて食事をつくり、味見をし、温め直し、そのつど少しずつ食べる。口にものが入っている時間が長いため、虫歯予防の観点からみると、とても問題の多い食習慣だ。

 「指導的」に考えれば改善が必要だが「朝出掛ける前にお母さんがお子さんやご主人とお話するってすてきなご家族ですね」と田中さんは主婦としての頑張りの面を笑顔で指摘する。その上で田中さんは3つの提案をした。

 <1>朝の家族の食事時間の合間に、虫歯予防に効果のあるキシリトールガムをかむこと。
 <2>家族が出掛けた後に、毎朝10分間座って、自分のためにじっくり歯磨きをすること。
 <3>昼間自宅にいるときは、虫歯予防と代謝を良くするためにどんどん水分を取り、何回もトイレにもいくこと。

 1度に3つ以上を言わないのが田中さん流だ。3つの提案はすぐに実行できそうだったし、その内容には歯だけでなく「自分を大切にね、という応援メッセージが含まれている気がして…」と、K子さんは、田中さんと話して歯医者さんが怖くなくなっている自分に気付いたという。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆キシリトールガム 天然素材の代替甘味料キシリトールの入ったガム。歯科医院で販売されているものはキシリトールの含有率100%、市販品は50~60%。習慣化することで予防効果が上がる。

October 26, 2006 09:01 AM

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