健康連載ブログ

2006年10月25日

予防歯科最新情報

【第17回】保険から自費にシステム改定

 「○○様 本日はお時間とお約束をいただきありがとうございます。リラックスしたケアタイムをご提供させていただきます。お気づきの点がございましたら、お気軽におっしゃってください」。診察いすの棚には、患者の名前とメッセージが書かれたカード立てが置かれている。院内にはアロマテラピーがたかれ、ラベンダーが香る。やわらかいピンク色で統一された診察空間は、ロールブラインドで仕切られ、照明も温かいオレンジ系だ。

 こいけ歯科医院(川崎市)は、武蔵新城駅前の普通の住宅地にあるが、目立った看板がないので、歯科医院と気付かない人も多い。半年ほど前までは、予防に力を入れてはいるが、普通の町の歯医者さんだった。9月から内装も変え、心地良さを演出した癒やしの空間に様変わりした。

 一番大きな変化は、診察内容を保険診療から自費診療中心にシフトさせたことだ。「健康保険は病気に対応するようにその仕組みができており、検査や予防というコンセプトは含まれていない」と小池匠医師は説明する。今後の歯科医療の目標である「歯をできるだけ削らず、守る医療」を実現するためには、コストはかかるが自費診療にして、その人に合った良質の医療情報を提供することが必要との判断だ。

 例えば、歯科衛生士が中心となって行う予防については「トータルメンテナンス」という合計2万7300円のメニューで対応する。唾液(だえき)検査→培養→コンピューター入力→結果説明→予防計画。2回のカウンセリングで8400円。予防計画に基づいた口のクリーニング、歯と歯肉の衛生管理・食事のアドバイスが1回8400円。さらに歯の面や歯の間、菌が繁殖しないようにする除菌とそのための歯型のトレ-の作成費用が合計で1万500円となっている。

 これまで、保険診療の枠内で行っていた部分についても、カウンセリングによる説明や長期的なサポートを含む自費のパック料金に改定したことになる。当然、来院しなくなった患者もいる。しかし、毎回、1時間専属の担当衛生士がゆったりとカウンセリングを行い、歯の検診や清掃を行うため、患者の満足度はかなり高く、システム改定を歓迎する患者も多い。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆保険診療 健康保険の定める治療内容と費用で医療を受けること。自費診療は医院経営者の自由な価格設定による。

October 25, 2006 02:44 PM

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