健康連載ブログ

2006年10月23日

予防歯科最新情報

【第15回】チーム医療に欠かせない衛生士

 「いい歯科医院を探したいと思ったら、まず歯科医院に電話をし『歯のクリーニングをして欲しいのですが、歯科衛生士さんはいますか』と尋ねてください。これが一番、簡単です」と話すのは、口腔(こうくう)ケア用品メーカー(株)オーラル・ケアの社長で、歯科医療コンサルタントでもある大竹喜一氏だ。

 これまでの歯科医院は「治療」が中心だった。やってきた患者の虫歯を削って、詰めておけばいい場所とされていた。たとえ治療に連続性や計画性がなくとも「歯の磨き方が悪い」と患者を叱咤(しった)激励していれば、患者の方が恐縮して、言われるがままの治療を受け、料金を支払ってお礼を言って帰っていった。

 しかし、これからはもうそういう医療は成立しない。「予防とメンテナンスが中心となる時代」と大竹氏は指摘する。「どんなに職人かたぎで腕のいい先生でも、たった1人で治療をし、患者への説明をし、予防の指導をするなどというのは不可能です。医師の手技や知識にも得意、不得意がありますし、治療にも、予防にも高い専門性が要求されるからです」。

 予防やメンテナンスを行うための、チーム医療体制の中で大きな役割を占めるのが、世界基準の教育を受けた歯科衛生士だ。歯科衛生士は歯科医師の助手ではない。保健指導や歯の清掃などを行う専門職で、虫歯の発生や進行を止めて予防するための技術、知識、歯周病学などの専門教育を受けている。口腔内の機能や歯のケアに関するプロフェッショナルだ。

 予防やメンテナンスに力を入れている歯科医院では、歯科衛生士を担当制にし、1時間近くの診療時間をかけ、カウンセリングとクリーニングを行う医院も年々増加している。患者にとっては、じっくり自分の話を聞いてもらえる安心感があり、虫歯がなくとも、予防のために定期的に来院する動機付けにも効果があるようだ。

 大竹氏はこれからの歯科医院は「歯科衛生士と医師が協力して行うチーム医療でなければ絶対に成立しない」と強調し、受付も含め歯科医院にいるスタッフ全員のコミュニケーション能力が、医療の質の向上はもちろん、患者の満足にも大きくかかわると話す。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆チーム医療 医師だけでなく、療機関にいるすべての職種が情報を共有し、連携して医療チームを組むこと。

October 23, 2006 09:25 AM

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