健康連載ブログ

2006年10月16日

予防歯科最新情報

【第9回】年3回の定期診断で虫歯ゼロ

 「やっぱり遺伝だからだめでしょうか?」。お母さんが、当時幼稚園生だった長男のK君を連れて杉山歯科医院(千葉県八千代市)に来たのは9年前のこと。小さな前歯は、いわゆるみそっ歯で、真っ黒になっていた。奥歯にも幾つもの虫歯が見られた。

 K君のお母さんは昔から歯が弱く、30歳でほとんどすべての歯が治療済みの状態だった。お父さんも同様で、夫婦とも口の中は金属をかぶせた歯がほとんどで、神経のない歯も多い。すでに抜いた歯の部分にはブリッジと呼ばれる人工の歯が何カ所も入っている。それまでいろいろな歯科医にかかり、費やした2人のお金を考えると、乗用車が買えるほどだという。K君のお母さんは、自分の歯についてはあきらめに似た気持ちを持っていたが、「わが子だけはできることなら何とかしたい」と訴えた。

 院長の杉山精一医師はこれに対し「歯の質や口の中の環境、家庭での食生活環境などは、確かに親と似ることがあります。でも虫歯そのものは遺伝する病気ではありません。環境を変えることで状態は必ず改善されます」と答えた。そして、お母さんにK君の歯を丁寧に仕上げ磨きすることや、食生活やおやつの与え方などを指導し、フッ素の塗布などのメニューを作った。

 その後、K君の歯は、杉山医師の年3回の定期診断を受けながら、乳歯から永久歯に生え変わっていった。9年がたち、K君は現在14歳だが、虫歯が1本もない真っ白な歯を維持している。驚くことに両親も定期検診と歯のクリーニングを受けることで、9年前の状態を、ほぼ維持することに成功しているという。

 「K君の親の世代には、削って詰めるしか方法がなかったんです。私もかつてそういう治療をしていた時代もあった。でも今は特に子どもの歯を削らないようにしています」と杉山医師。削って治療した歯は再び虫歯になりやすく、時間をかけてだめになっていく。それより歯の検診をきちんと行い、フッ素を適切に使い、歯科医院でのクリーニングや自宅での正しい歯磨きをすることで、初期の虫歯なら再石灰化といって唾液(だえき)の作用によって治ることが実証されている。

 「K君が親になる時代には、日本では子どもの虫歯が1本もないことが当たり前にしたい。それが歯科医師の役割だと信じています」と語る。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆フッ素 フッ素には歯の硬い部分を、細菌の出す酸から守る働きがある。市販のほとんどの歯磨きにはフッ素が含まれている。歯科医院でフッ素を歯に塗布する方法やフッ素入りの洗口剤などもある。

October 16, 2006 12:48 PM

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