健康連載ブログ

2006年10月15日

予防歯科最新情報

【第8回】初期虫歯なら削らず歯磨きを

 高校受験を目前に控え、勉強に励むS子さん(15)。これまでほとんど虫歯はなかったのだが、つい勉強中、あめやクッキーなどを口に放り込む習慣がついてしまった。

 ある日、鏡で口の中を見ると、奥歯の表面が茶色く変色しているのに気付いた。「試験中に痛くなったら困るでしょ。虫歯は小さいうちに早く削って詰めてもらおう」と言う母親に促され、宇田川歯科医院(東京・江戸川区)を訪れた。

 削られることを覚悟して診察いすに座っていたのだが、入ってきたのは大きなカメラを持った、笑顔の歯科衛生士のお姉さん。「さあ、お口の写真を撮りますね」と、S子さんの口の中の写真を手早くいろいろな角度で撮り、顔写真も撮影した。ほどなく診察台脇に1台ずつ設置されたコンピューターにS子さんの顔と12枚の歯の写真が映し出された。

 そこに「こんにちは!」と大きな声と笑顔で登場したのは、院長の宇田川義朗医師。S子さんの口の中を丁寧に診察してから、写真の奥歯を指さし「確かにここが虫歯になりかかっています。よく見つけましたね。でもこれは、まだ再石灰化といって唾液(だえき)の力で表面が治ってきますから、まず歯磨きで頑張っていきましょう。『受験虫歯』ってよくあるんですよ。おやつをだらだら食べちゃうでしょう。それをやめて口寂しくなったらキシリトール入りのガムをかみましょう。次回は歯磨きについてお話しさせていただくことにしますので、予約を取ってくださいね」。

 「治療しないんですか?」と戸惑い気味の母娘に宇田川医師はこう説明した。「このくらい初期の虫歯は削らない方がいいです。歯を削って詰め物をすると数年後にそこに虫歯菌が繁殖し、さらに削って穴を広げ、金属などをかぶせる。再発すれば、次は神経を抜くということになりかねません。だから、できるだけ歯を削らずに、歯を守って行く治療をします」。

 特に成人前の初期の虫歯は、再石灰化という歯自体の再生する力を歯磨きや正しい食習慣で高めることで、治るという。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆口腔(こうくう)内写真 レントゲン写真だけでなく、歯や口の中の状態を定期的に記録するために、歯科衛生士が初診時の様子や経過をデジタルカメラで撮影したもの。

October 15, 2006 11:12 AM

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