健康連載ブログ

2006年10月09日

予防歯科最新情報

【第2回】「かかりつけ医院」を持つ

 「昔はビールの栓を歯で抜いたり、歯の強さをよく自慢したものです」。東京・江戸川区にある宇田川歯科医院の診察台で、懐かしそうに話すのは、建設業を営むUさん(59)。毎月1回必ずこの歯医者を訪れる。担当の歯科衛生士に45分をかけて歯槽膿漏(のうろう)の進行を予防するための歯のクリーニングしてもらうのだ。歯槽膿漏は歯周病が進行して起こり、歯が揺れたり、歯茎から膿(うみ)が出たりする状態だ。

 「子どものころから歯が丈夫で、歯磨きもしないのに、虫歯は1本もなかった」というUさんが、かすかに歯が揺れる感じを覚えたのは40代半ばのこと。これを10年近く放置していた。すると、なんとなく前歯が出っ歯になってきた上に、歯の揺れは次第に大きくなり、歯茎も腫れ、出血もするようになってしまった。

 3年前、奥さんに口臭を指摘されたこともあり、会社の昼休みに初めて近くの歯科医院に行った。「歯槽膿漏です」と診断され、診察2回目には、揺れている奥歯を2本抜かれてしまった。「自慢だったほかの歯も『順に抜きましょう』って、頭にくるやら情けないやら…」。

 憤慨したUさんは知人に会うごとに「抜かない歯医者を知らないか?」と尋ねて、行き着いたのが「かかりつけ歯科」というコンセプトを持つ宇田川歯科医院だった。Uさんへの診断はここでも同じく歯槽膿漏だったが、その治療方法は異なった。

 院長の宇田川義朗医師は「週に1度の来院で歯のお掃除と歯茎の治療をしましょう。正しい歯磨き方法を身に付ければ抜かなくても大丈夫」と診断したのだ。「抜かずに済む!」という力強い言葉に感激したUさんは、それ以来、1年間というもの熱心に毎週治療に通い、歯茎の腫れは次第に治まっていった。家でも歯科衛生士に習った通りの丁寧な歯磨きを続けた。

 その努力のかいがあって歯槽膿漏の進行はほぼストップした。現在は月1回、歯科衛生士に歯の清掃をしてもらい、歯茎の健康を保っている。

 「Uさんのように歯の質が丈夫なだけに手入れを怠り、中高年以降に歯周病になる男性は案外多い。大人の定期健診は大事です」。宇田川医師は、虫歯の有無にかかわらず、歯槽膿漏予防など口の健康のために、日ごろから安心して相談できる「かかりつけ歯科医院」を持つことを勧めている。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆歯科衛生士 国家資格を持った専門職。歯科医の指示のもとに、歯科保健指導や歯の清掃などを行う。予防歯科には不可欠な存在。

October 9, 2006 10:26 AM

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