健康連載ブログ

2006年10月21日

予防歯科最新情報

【第13回】20歳までに口の環境つくる

 「無理なく、楽しく、確実に、が予防についての私たちの合言葉です」と話すのは今井歯科クリニック(埼玉県秩父市)の今井美行医師。この医院に継続して通っている18歳以下の子どもたちのほぼ全員が虫歯なしの状態を維持している。

 虫歯の原因菌であるミュータンスレンサ球菌は、新生児の口の中には存在しない。両親など身近な大人からのスプーンや口移しの離乳食などを介しての感染なのだ。保護者との接触に神経質になり過ぎる必要はないが、保護者が虫歯の治療を行い、口の中の虫歯菌を減らすことで感染はかなり防止できる。

 成人するまでに、感染が起こりやすい時期は、奥歯の生える次の4回であると考えられている。奥歯は目が届きにくい上に溝が深く、虫歯菌のすみかになりやすい。その上、生えたての歯は軟らかいので、油断をするとすぐに虫歯になってしまう。

 今井医師はその対策を年代別に説明する。

 <1>1歳7カ月~2歳7カ月(離乳が完了して乳歯の奥歯が生える) 保護者が虫歯を治療し、キシリトールガムなども利用して虫歯菌の少ない口の環境を維持し、感染防止を。乳幼児には、清涼飲料水などの甘味を早期に与えない。

 <2>6歳ごろ(第1大臼歯と呼ばれる奥歯が生える) キシリトールガムやタブレットを与える。フッ素塗布、定期検診に加え奥歯のかみ合わせ面に、歯の溝をプラスチックで埋めるシーラントという加工を行い、虫歯菌のたまる場所を減らす。食事やおやつは規則正しく与える。

 <3>12歳ごろ(第2大臼歯と呼ばれる奥歯が生える) 塾通いやクラブ活動で、砂糖入りドリンクなどを飲む機会が増え、虫歯になるリスクも高まる。歯科医院での継続的な予防が大切。

 <4>20歳ごろ(親知らずと呼ばれる智歯が生える) 親から独立し、口腔(こうくう)ケアが自己流になりがち。長期休暇を利用した定期検診やクリーニングプログラムを作る。必要に応じて親知らずは、抜歯する。

 「20歳までに虫歯になりにくい口の環境をつくれば、その後虫歯は発症しにくくなる」とは予防歯科先進国フィンランドのデータだ。「乳幼児期から成人まで途切れることなく口の環境を整えることを通じて、子どもたちの健康を守りたい」と今井医師は語る。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆シーラント 最も虫歯になりやすい奥歯を守るため、歯の表面の複雑な溝の部分を埋めてふさぐ方法。フッ素入りのセメントやプラスチックを使う。

October 21, 2006 09:01 AM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/7005