健康連載ブログ

2006年10月20日

予防歯科最新情報

【第12回】幼児から10代の時期に口腔育成

 「永久歯が生える前から当院に定期検診に通ってくれている子どもの患者さんは、ほぼ100%虫歯がありません」と胸を張って言い切るのは今井歯科クリニック(埼玉県秩父市)の今井美行医師だ。

 クリニックの受付の壁一面に張られているのは、真っ白い完ぺきな歯並びでニッコリと笑う、小学生から10代の子どもたち。100人あまりの笑顔の写真はインテリアとしてもインパクトがある。

 「当院では虫歯予防をシステム化し、健康な口腔(こうくう)の育成に患者と一緒に取り組んでいます。たとえ乳歯に虫歯があったとしても、永久歯では虫歯なしをほぼ達成しています」と今井医師。

 乳歯が虫歯になっている子どもが来院した時にも、無理に治療を行って恐怖感を植え付けるようなことはしない。「長い目で良い結果を得るためには、予防を中心にして信頼関係を深め、食べ方のアドバイスなど緩やかなプログラムを組み、口の中のクリーニングで環境を整えます。口の中が良くなると、再石灰化といって唾液(だえき)によって歯を修復する力も出てくるのです」。

 歯を守ることは、歯を削り詰めることではなく「虫歯の発症を未然に防ぐこと」。つまり予防のシステムと情報を提供することなのだと、今井医師は繰り返し説明する。

 ここを訪れた初診の子どもは、口の中を診察し、鏡を見ながら、保護者と一緒に自分の現状を確認する。次に「魔法のアルバム」と呼ばれるアルバムを一緒に見る。そこには、受付の壁同様、すでに虫歯ゼロを達成した子どもたちの笑顔の写真が納められている。「虫歯がなく美しい歯で笑う子どもたち」は初診の患者さんに「これなら自分にもできるかもしれない」という希望を与える。

 一般に多くの人が思う「怖いところ」「できれば行きたくない場所」という歯医者のイメージはここにはない。「初回の目標は現状を理解してもらうことと、患者の緊張をほぐし、明るい笑顔で帰っていただくことです」。出会いの大切さと、患者が自分のこととして予防にかかわる積極的な動機付けをすることが、大きな効果をもたらすと強調した。

 【ジャーナリスト月崎時央】

 ◆口腔(こうくう)育成 不正な歯並びと虫歯を予防しながら、子どもたちの口の健康な成長を助けていくこと。

October 20, 2006 11:31 AM

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