健康連載ブログ

2006年09月30日

ハイテク医療最前線

【第80回】米国では心筋梗塞にも適用/先端医療センター浅原孝之副所長

血管再生医療(2)

 先端医療センター(神戸市)で行われている血管再生(治療)の臨床研究は、閉塞(へいそく)性動脈硬化症(ASO)と難病指定のバージャー病(ビュルガー病)の患者を対象に行われている。どちらも下肢動脈が詰まり、最終的に足の切断につながるケースがある。

 治療法は、患者の血中から血管再生の基となる幹細胞の血管内皮前駆細胞(EPC)を分離・培養したものを患部に注射する。血管が再生して閉塞状態が改善すれば、成功ということになる。治療期間は全体で1週間ほど。

 EPCの発見者で血管再生治療のチームリーダーを務める浅原孝之先端医療センター副所長・東海大学教授は「300メートルを歩くのがやっとだった患者さんの歩行距離が1キロ以上に伸びるなど、治療効果は上がっています」と話す。

 臨床研究段階のため、EPCによる血管再生治療はほかに治療法がないと認められた患者が対象。ハードルは高いが、難病指定のバージャー病は末梢(まっしょう)血管ほど病変が強く、血行再建手術が可能なのは全体の20%以下だけに、血管再生治療への期待度は高い。20~40代に発病し現在、国内の推定患者数は約1万人といわれる。

 「バージャー病は原因が分かっていません。そのため確立した治療法がありません。血管再生治療は有効性の高い治療法になり得ます」。

 先進医療センターでは、心筋梗塞(こうそく)患者への血管再生(治療)の臨床研究も倫理委員会の承認を得ているが、やはりほかに治療法がないと認められた患者が対象。今のところ適用例はゼロの状態。

 浅原副所長の米国における共同研究者は心筋梗塞患者への血管再生治療をすでに行っている。

 「24例ほど手掛けて治療の有効性は高いとの報告を受けています。日本でもこれから適用例があれば、血管再生治療の有効性は証明されると思います」。

 心筋梗塞に対する血管再生治療では、カテーテルで心筋に注入するなど、治療手順・治療方法なども決まっている。また血管再生治療研究は応用分野も広い。

 【医学ジャーナリスト小野隆司】

 ◆先端医療センター 神戸医療産業都市構想の一環として2003年度に開設。病院部門、研究部門などがあり(1)医療機器の研究・開発(2)医薬品等の臨床研究支援(治験)(3)再生医療等の臨床応用、が3本柱になっている。詳細は(財)先端医療振興財団のHPで(http://www.ibri-kobe.org)

September 30, 2006 09:30 AM

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